先週は、ゴールデンウィーク中、海外ではFOMCの結果を受け、急騰、急落、日経平均は27000円回復
先週の予測では、ゴールデンウィーク明けの日経平均は、FOMCの結果次第ですので、連休明けの海外マーケットから目がはなせないとしました。
最近のNYダウは700ドル前後の大きな値幅が珍しくなく、乱高下でもチャートが往来相場の中のもみあいであれば心配ないとしました。
ただ、乱高下の中で、週足チャートが年初から米国株式は調整ムードとなっていますので、長引くと売り圧力が強まって日本株にとっても要注意となるとしました。
そのため、まずはFOMCの結果をみることでしたが、結果を受けて1000ドル前後の急落・急騰となりました。
5月2日(月)の日経平均は、先週末の米国株式は、アマゾンの赤字決算を嫌気して、NYダウは▲939ドルの32977ドルと急落し、ナスダック、S&Pも同様の動きとなりましたが、その後の米株先物が反発していたことで、一時▲237円の26610円まで下げるものの、終値は▲29円の26818円でした。
3日(火)日本市場は休場。この日の米国株式は、FOMCを控え金利が上昇し、NYダウは一時▲527ドルまで下げ、ナスダック、S&Pともに1%超えの下げとなりましたが、終盤にはハイテク株中心に買い直され、3指標そろって反発して引けました。シカゴ日経先物は△500円の26860円でした。
4日(水)日本市場は休場。この日はFOMCを控え、持ち高調整が続きました。FOMCでは0.5%の利上げは織り込み済みとの見方から、3指標そろって小幅続伸でした。シカゴ日経先物は△255円の27065円でした。
5日(木)日本市場は休場。この日、発表されたFOMCの結果は市場予想通り、0.5%の利上げと6月からのバランスシート縮小という結果になりました。しかし、市場が心配していたパウエル議長の0.75%の利上げは積極的に議論されなかったことで、景気をソフトランディングさせるためだという見方から安心感が広がり、NYダウは△932ドル、ナスダック△401P、S&P△124Pと3指標そろって急騰しました。
6日(金)の日経平均は、FOMCを通過しましたが、NYダウが休日の4日(水)△932ドル、5日(木)は▲1063ドルと大きな上下動となり、これを受けて、前場は一時▲275円の26543円まで売られましたが、その後、反発に転じ終値では△185円の27003円と反発しました。
週末の引け後の米国市場は、4月雇用統計はマチマチの中、10年債利回りが3.14%まで上昇し、2018年11月以来、約3年ぶりの高水準となりました。NYダウは一時▲523ドルの32474ドルまで下落し、終値では▲98ドルの32899ドルで引けました。主要3指標はそろって続落でした。為替は1ドル=130.59円、シカゴ日経先物は▲225円の26585円でした。
今週は、27000円をはさんだ上下500円ぐらいの動きか
ゴールデンウィーク中は、米国市場の乱高下を受けたものの、週末の6日(金)は前場は軟調だったものの、後場には上昇に転じました、世界景気の先行き不透明さのなかで日本株式は一定の底堅さをみせています。
今週は、インフレに関して、11日発表の米4月CPIが目先の焦点となります。パウエル議長は、個人消費の物価指数を示すコアCPI(個人消費支出)について、ピークに達したいくつかの証拠があると楽観的見方を示しています。
日本では、11日にトヨタの決算が控えていますが、半導体不足、原材料高の悪影響が想定されていますが、反面で今期、通期の収益予想への期待値は高くなっています。トヨタの決算や米国の4月CPIの鈍化期待を手掛かりに27000円台の値固めに入るという見方もありますが、一方で9日のロシアの戦勝記念日を迎えてのプーチン政権の動きは見極めにくく再び波乱相場のリスクも意識されます。
日米のチャートをみると、米国株式は、まだ底値を確認しておらず、米国株に連動する日本株の上昇も当面はおあずけとなります。日経平均は昨年9月の高値30795円からの調整が続いており、高値から6ヶ月後の3月9日の安値24681円から戻りに転じましたが、200日線や52週線の位置する厚いフシ目をぬけず、3月25日の28338円でアタマを打ち軟調な推移が続いています。好転信号が灯るのは「3月高値28338円突破」となります。今週のレンジは26500~27500円となります。
本日9日(月)は、寄り付きは米長期金利の上昇を背景に前週末の米国株式が下落した流れを受け、売り優勢で始まり、また時間外取引の米株指数先物安も重しとなり、下げ渋る場面もありましたが買いは続かず再度軟化し、広い銘柄に売りが出て、大引け間際には26309円まで下げ幅を広げ、終値は▲684円の26319円となりました。
(指標)日経平均
先週は、ゴールデンウィークで、営業日は5月2日(月)と6日(金)の2日でした。
その間の3~4日にFOMCが開催されることで、この結果を受けての動きとなりました。
2日(月)の日本市場は、前週末の4月29日(金)のNYダウの▲939ドルを受けたものの、日本時間では米株先物がしっかりしていたことで、一時▲237円の26610円まで下げましたが、終値では▲29円の26818円でした。
その後、米国市場では、FOMCの結果を受けたNYダウが4日(木)に△932ドルと急反発し、翌5日(木)には再び長期金利の上昇でハイテク株中心に売られ▲1063ドルと急反落となりました。
これを受けた6日(金)の日本市場は一時▲275円の26543円まで下げるものの、為替が円安方向に戻したことで、後場には輸出関連株中心に大きく反発し△185円の27003円で引けました。
今週の日経平均は、11日発表の米国の4月CPIが目先の焦点となり、これを受けてインフレがどうなるのかによる米株式の動きに左右される展開となります。
米株式が安定し、トヨタの決算が良好であれば27000円台での値固めに入ることが想定できますが、9日のロシアの戦勝記念日を迎えてのプーチン大統領の動きがリスク要因となります。基本的に今週は27000円をはさんだ上下500円の動きとなりそうです。
(指標)NYダウ
先週の動きは、3~4日のFOMCの結果を待って週始めは前週末のNYダウの大幅下落を受けて、一時▲527ドルまで下げるものの、終盤はハイテク株中心に買い戻され、△84ドルと小反発しました。3日(火)はFOMCを前に持ち高調整となって3指標小幅続伸でした。4日(水)のFOMCでは、予想通り0.5%の利上げと6月からのバランスシートの縮小が決定されましたが、0.75%の積極的な利上げの議論がなかったことで安心感から△932ドルと急上昇となりました。しかし、5日(木)になると再度、長期金利の上昇、景気減速懸念からハイテク株中心に全面安となり、▲1063ドルと急反落となりました。6日(金)は、金利上昇を背景に一時▲523ドルの32474ドルまで下落しましたが、引けにかけて持ち直し▲98ドルの32899ドルとなりました。
今週の動きの見通しとしては、高インフレが長期化すると同時に、来年には景気後退するスタグフレーション懸念も高まりつつあります。今週は4月のCPI(消費者物価指数)が発表予定で注目となります。インフレが高止まりした場合は、FRBによるより早いスピードでの引締めが必要となるため金利がさらに上昇して、株価の売り圧力となります。そうでなければもみあいが続く展開となりそうです。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週のゴールデンウィーク中は、為替は130円をはさんだもみあいとなりました。その中でFOMCの結果を受けて4日(水)は一時ドルが売られ、1ドル=128.26円までの円高となりましたが、翌5日(木)は10年債利回りが3.14%と3年ぶりの高水準になったことで、ドルが買い直され、1ドル=130.55円まで上昇しました。週末の6日(金)は130.59円で引けました。
今週の見通し
今週もFRBによる金融正常化を睨み米金利高に連動したドル買いが入りやすく、ドル/円は底堅い値動きとなりそうです。又、日本銀行は長期金利の上昇を抑えるため指し値オペを断続的に実施しており、ドルは下げづらい展開となります。ドル/円は4月28日につけた直近高値131.23円を試すことになりそうです。