先週の日経平均は、恒大集団のデフォルト懸念で3万円を大きく割り込むが週末は回復
先週の予測では、21~22日のFOMCに注目としました。今年中にテーパリング(資産買入れの縮小)が発表されており、今回これの開始がスタートされる可能性もあり、確認するまでは様子見となるため、日経平均は3万円水準でのもみあいを想定しました。
ところが、日本市場が休日の20日(月)に中国の民間不動産大手の恒大集団のデフォルト懸念が発生し、NYダウが一時971ドルまで下げて▲614ドルの33970ドルとなったことで、これを受けて21日(火)の日経平均は、▲667円の29832円まで下げて、終値は▲660円の29839円と2週間ぶりの3万円割れとなりました。翌日も続落して▲265円の29573円まで下がり▲200円の29639円で引けました。
しかし、恒大集団が23日(水)に予定されていた社債の利払いを一部実施し、中国政府がデフォルトを避けるよう指示したこともあり、ひとまずデフォルト懸念が後退し、NYダウは△338ドルの34258ドルと反発し、さらにFOMCではテーパリングの開始の表明はなかったことで、23日(木)は、△506ドルの34764ドルと2日連続の大幅反発となりました。下げ幅のほとんどを戻したことになり、休日明けの24日(金)の日本市場も△502円の30141円と3万円台を回復して寄り付き、△636円の30276円まで上昇して、終値は△609円の30248円で引けました。日経平均の調整幅も直近の高値14日の30795円から22日の安値29573円までの約4%にとどまっています。
1週間が終わってみれば、何事もなかったような株価ですが、中国はかつての日本のように、政府が金融の総量規制によってバブル崩壊となったように、中国の不動産はバブル状態だということは前から言われており、中国政府の銀行への貸出し規制によって、いつ日本のようになってもおかしくない状況にあります。恒大集団の処理は、まだ不安材料を残したままであるといえます。
また、米国でも連邦債務上限問題の与野党対立が続いており、10月中の資金枯渇懸念がありますので要注意です。
週末24日(金)の米国市場は、3指標はまちまちの動きとなりました。恒大集団のデフォルト懸念は払拭できず、又、中国当局が暗号資産関連の取引を禁止したことで、違法とされたビットコインは約4%の下落となったことも嫌気されましたが、景気敏感株の上昇でNYダウは△33ドルの34798ドルと3日続伸となりました。為替はドルが110.75円まで買われ円安が進みましたが、シカゴの日経先物は▲115円の30035円でした。
今週は、29日の自民党総裁選に注目
先週は、中国の大手不動産の恒大集団のデフォルト懸念から日米株式が大きく下落するも懸念が後退してすぐにもとに戻すという動きとなったものの、中国の不動産バブル問題が底辺にあり、目先は一過性のものとして、こうした要素に絡んで相場の上値が重くなる局面もあることを想定しておく必要があります。いったん落ち着けば日本の企業業績の拡大は7~9月以降も続くと見みられており、又、日本株の出遅れ感もあり、中期的な強気スタンスは続くことになります。
日本市場は、今週は29日に投開票を迎える自民党総裁選が焦点となります。情勢は国民的人気の高い河野行政改革相、議員票で一歩リードする岸田前政調会長を軸に混戦状態です。あくまでもマーケットにとって重要なのは11月の総選挙であり、誰が総裁選を制すれば、自民党が支持率を上昇させて海外からの日本株買いを入れ込むことができるかであります。結果をどう評価するのかは日経平均株価に聞くことになります。
本日27日(月)は、寄り付きは、政府は緊急事態宣言を30日の期限をもって全面解除する方針と報じられ、経済正常化への期待感も支えとなって買いが先行し、一時、小幅安となりましたが、先物買いも盛んとなって切り返し30414円まで上昇しました。しかし後場は再度マイナス圏に沈み、一時30197円下げましたが下値は限定的で大引けにかけては前週末終値近辺で推移し、▲8円の30240円で引けました。
(指標)日経平均
先週の予測では、注目のFOMCでテーパリングの開始は11月へ見送りという見方が多く、株価の調整要因にはならず、日経平均は3万円水準でもみあって31000円へ向かう方向を想定しました。
ところが、日本市場が休日の20日(月)に中国の民間不動産大手の恒大集団の経営危機が発生、NYダウは一時971ドルまで下げて▲614ドルの33970ドルと急落しました。これを受けて3連休明けの21日(火)の日経平均は29832円まで下落し、22日(水)も続落して▲265円の29573円まで下げて終値は▲200円の29639円となりました。しかし、23日(木)の日本市場が休日の間に中国の恒大集団のリスク懸念が一服し、FOMCでテーパリングの開始表明はなく、安心感が出て△338ドルと反発し、23日(木)も△506ドルの34764ドルと2日連続の大幅反発となり、これを受けて日経平均も△609円の30248円となりました。結果的に大きく上下動して高値水準まで戻しました。
今週は、中国の大手不動産の恒大集団のデフォルト懸念は、一服するものの中国の不動産はバブルであることを示したことで、今後も注意材料となります。恒大集団は今後も利払いの期限を次々と迎えるため危機が再燃すれば日経平均が大きく下げる懸念はあります。
当面は、3万円水準で値固めをして上に向かうことになりますが、そのキッカケに29日の自民党総裁選が注目となります。
(指標)NYダウ
先週の予測では、9月21~22日のFOMCでテーパリングが開始されるかどかが注目となりました。テーパリングの開始が11月2~3日にずれ込むようだと10月の米株式の上昇は期待ができるとの見方が大勢でした。
ところが、FOMCの前の20日(月)に中国のトップクラスの不動産会社、恒大集団のデフォルト懸念が発生し、NYダウは一時1000ドル近い急落となって▲614ドルの33970ドルの終値となりました。21日(火)も▲50ドルの続落となりましたが、22日(水)のFOMCでテーパリングの開始表明もなく、デフォルト懸念の中国恒大集団が利払いを行うと発表したことで懸念が和らぎ、NYダウは△338ドルと5日ぶりの反発となり、23日(木)も△506ドルの34764ドルと2日続伸の大幅反発となりました。24日(金)は、恒大集団のデフォルト懸念は根強く、下落して始まりましたが、8月新規住宅販売件数が予想を上回り、押し目買いで景気敏感株の買いも目立ち、△33ドルの34798ドルと3日続伸で引けました。
今週は、先週の恒大集団のドル建て社債利払いの行方が依然として不透明で。行方次第では再び相場を悪化させるリスクが残ります。又、つなぎ予算案を巡る議会の可決権限を30日に迎えるため、可決できなければ10月にも政府機関閉鎖の危機に直面することになり株式の下落が想定されます。可決できれば恒大集団のデフォルトは中国国内問題としてとどまり、影響はそれほどないことになります。テーパリングも11月に延びており、10月は上昇が期待できます。
(指標)ドル/円
●先週の動き…中国金融不安後退でドル買い・円売りへ
週前半は、中国の不動産大手、恒大集団がデフォルトに陥るとの懸念から、欧米株式が大きく下げたことを受け、リスク回避的な円買いが活発となり、109円台前半まで円高が進みました。しかし、恒大集団が目先の利払いを実施したことでデフォルト懸念が後退し、21~22日のFOMCでテーパリングの開始が発表されなかったこともあり、リスク回避的な円買いは縮小し、24日(金)のドル・円は一時110.79円まで買われました。
●今週はドルは底堅い動きへ
今週は、恒大集団のデフォルト懸念は消えていないため、円買いが強まる可能性は残されています。それは、中国当局は地方政府に対して恒大集団の経営破綻に備えるよう指示をしており、予断を許さない状況が続いているからです。パウエル議長は22日の記者会見でテーパリングを11月にも開始する可能性を示しているため、ドル買い・円売り方向は強く、経済指標が予想を上回れば。ドル買い・円売りが再び強まり、株式も堅調な動きが想定されます。
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