先週は、週前半28800円台まで上昇するが、その後、一時28000円割れとなる
先週の予測では、9日(金)にSQがらみの一時的な需給要因によって、一時700円近くまで下げて27419円の急落となり、5月13日の27385円に接近して、28000円水準まで戻したことで、ダブル底をつくったような形となりました。そのため週始めは28500円水準まで戻したあと、ここを中心に上下動となることを想定しました。
本来ならば、米国株式が堅調であるので29000円までは上昇してもおかしくないのですが、日本での五輪開幕接近の中での新型コロナ感染者の増加を外国人投資家は懸念しており、又、夏休み休暇前の日本株の手仕舞いもあり、積極的に上値を追っていく投資家がいないことになります。
結果的に先週末の急反発の流れが続き、週始めの12日(月)は△628円の28569円と28500円台にのせ、そのまま上を試す形となって13日(火)は一時△283円の28852円まで上昇しました。しかし、先週はここをピークに下げ転換となり、14日(水)は▲109円の28608円、15日(木)は午後になると緊急事態宣言下の東京で、感染者が1000人を超えたことが発表されると外国人投資家の売りで大引け間際には▲368円の28240円まで下げて、終値は▲329円の28279円と急落しました。週末の16日(金)は、米国市場で、NYダウは△53ドルだったものの、ナスダックが▲101Pとなったことや、ファーストリテイリングの下落と半導体関連の下げが広がり、一時▲431円の27847円まで下げました。その後、後場には▲77円の28201円まで下げ幅を縮小する場面もありましたが、大引け近くでは上値重く▲276円の28003円で引けました。
週末の米国市場は、強い小売売上高を好感し、上昇してスタートしたものの、寄り後に発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)の悪化を受けて3指標そろって下落に転じました。NYダウは朝方に△102ドルの35090ドルまで上昇し、5月10日につけた史上最高値35091ドルにあと1ドルと迫りましたが、ここから反落となり▲299ドルの34687ドルで引けました。為替は1ドル=110.07円とややドル高でシカゴの日経先物は▲140円の27790円でした。最高値圏で堅調な動きをしている3指標が下落したのは、7月ミシガン大学消費者信頼感指数の予想外の悪化の他に米国内でも新型コロナデルタ株の感染者が急増していることが明らかとなり、経済の回復が損なわれるなどの懸念が出てきたためです。
今週は、連休前や決算を控え様子見ムード
先週の日経平均は、前週末に急回復してきた勢いから週前半に一気に28800円台まで上昇し、さらなる上昇の期待を持たせました。しかし、外国人投資家という買い手不足の中では、新型コロナの東京での感染者急増を受けて、再び売りに押される展開となり、16日(金)は28003円と13日(火)の高値28852円から約850円安い水準となりました。週末の米国も4週間ぶりに3指標そろって下落となり、シカゴの日経先物も▲140円の27790円でした。
先週の日経平均の動きからも、2月につけた30714円をピークとする上値切り下げが継続し、前回高値の6月25日の29174円に届かないレベル(13日の28852円)で押し返されています。しかし、下値をみると現時点では、5月13日の27385円、7月9日の27418円と2点底をつくっており、27500円水準に下値支持線を形成しつつあるようにみえます。但し、その前提はNYダウが堅調であることです。NYダウの上昇には、それほど連動しなくても、今の相場環境では下落には連動しやすい可能性が高いからです。
問題は、菅政権の支持率が緊急事態宣言の再発令のあとの対策もチグハグで、感染者は増加し続け、ここにきて新型コロナのワクチン不足が顕在化し、過去最低水準の支持率まで低下していることです。外国人投資家を中心に手控え感を招いているといえます。
今週は、上述したように週後半は祝日のため3営業日と取引が限られます。立会い日数が少ない中、来週の7月最終週から4-6月期決算が始まる中、FOMCもあるため様子見ムードが一段と強くなりやすいとえます。
本日19日(月)は、新型コロナの感染再拡大への警戒感とともに前週末の米国株式が下落した流れを受け、売りが先行し、いったん下げ幅を縮小しましたが、買いは続かず再び軟化し、時間外取引での米株先物安も重しとなり、27493円と27500円を一時、割りました。後場は下げ渋りましたが、戻りは限定的で大引けにかけても安値で推移し大引けは▲350円の27652円でした。4日続落となり、20年7月31日以来、約1年ぶりに200日移動平均線を割り込みました。
(指標)日経平均
先週の予測では、前週の9日に27419円まで下げて急速に28000円水準まで戻したことや、シカゴの日経先物が28535円となっていたことで28500円を中心としたもみあいを想定しました。又、上昇しても相場が弱くなると下値模索となる場合も想定しました。
結果的に、週前半の13日(火)に、28852円まで上昇しましたが、14日(水)からは下落に転じ、週末の16日(金)は、一時28000円を割る場面もありましたが、終値では▲276円の28003円となりました。引け後の米国市場では、3指標が4週間ぶりの下落となったことで、シカゴの日経先物は▲140円の27790円となっていました。
今週は五輪開催に伴い、22日(海の日の振替)から23日(スポーツの日の振替)が休日のため営業日は19日(月)から21日(水)までの3日間となります。そのため様子見の中で下値模索の動きが想定されます。物色は好決算銘柄の個別株となりそうです。
今週は、上述したように週後半は祝日のため3営業日と取引が限られます。立会い日数が少ない中、来週の7月最終週から4-6月期決算が始まる中、FOMCもあるため様子見ムードが一段と強くなりやすいとえます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、新型コロナのデルタ株の感染リスクは織り込まれているものの、経済活動再開を巡る好材料やFRB議長の「インフレは一時的」とか「大規模緩和は続く」との発言で押し目買いは続くとしました。
結果的に、週末の7月16日に35090ドルと5月10日の史上最高値35091ドルまであと1ドルのところまで上昇してきました。しかし、ここにきて7月ミシガン大学消費者信頼感指数の予想外の悪化や新型コロナデルタ株の感染者が急増したことを嫌気し、▲299ドルの34684ドルと大幅反落となりました。
今週は、先週も新型コロナのデルタ株の感染拡大はカリフォルニア州でマスクの義務化が再度、導入されたことが多少ネックとなります。ただし、企業決算は良好な内容が期待され相場を支えることになりそうです。最新のインフレ指標は予想を上回る上昇を示していますが、FRBは緩和策を解消することを急ぐ様子はみられません。下がるとしたら、夏休みを控えいったん手仕舞いが増加する場合です。
(指標)ドル/円
●先週の動き…米長期金利低下でドルは弱含み
7月13日の6月消費者物価コア指数が前年比+4.5%と市場予想を上回る伸びとなり、長期金利が上昇し、リスク選好的なドル買い優勢となりました。しかし、FRBのパウエル議長が「インフレの上昇は一時的」との見方を示したことで長期金利は低下し、ドル売りが広がりました。週末の16日は7月ミシガン大学消費者信頼感指数が低下し、経済回復の期待も低下し、ドル買いは後退。米株式も嫌気され下落し、1ドル=110.08円で引けました。
●今週の見通し…インフレ率上昇の可能性は残るがドルは底堅い動きか
7月14~15日のパウエルFRB議長の証言で、物価上昇について新たな措置を打ち出すことはないと確認されたためです。しかしインフレ率の上昇が起こる可能性は残っています。今月30日発表の6月コアPCE物価指数は5月実績を上回る可能性があります。他の経済指標も予想を上回れば将来的にはFRBの金利引き上げの可能性は高まります。
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