■今後の成長戦略
1. 中期経営計画
(1) 計画策定の背景
コロナ禍で社会様式が大きく変わり、ミアヘルサ<7688>を取り巻く経営環境についても変化し、様々なリスクがあるなかで、中長期展開の加速に向けての基盤整備を進める期間と位置付け、3ヶ年に実行すべきことを今回の中期経営計画として策定した。
(2) 基本方針と経営数値目標
基本方針として、「首都圏に人々の生涯を支える企業として信頼のミアヘルサ・ブランドを確立する」ことを掲げている。少子高齢化社会の進展と女性の就業率向上といった社会環境の変化を成長機会と捉え、医薬・介護・保育・食品の4事業の機能連携によるシナジーを差別化戦略として、「地域包括ケアシステム」の推進に取り組むことで、業績成長と企業価値の向上を目指していく。
経営数値目標としては、最終年度となる2024年3月期に売上高20,000百万円、営業利益640百万円、経常利益600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円とし、自己資本比率で30%以上、ROEで10%以上を掲げている。2022年3月期は先行投資負担増で一旦、減益となる見込みだが、2023年3月期以降増収増益に転じる計画で、3年間の年平均成長率は、売上高で6.1%、営業利益で25.7%と高成長を目指している。
事業セグメント別の2024年3月期売上計画を見ると、医薬事業で10,000百万円(3年間の年平均成長率4.6%)、介護事業で4,090百万円(同8.1%)、保育事業で5,000百万円(同8.4%)、その他で910百万円(同1.9%)となり、すべての事業で成長を見込んでいる。なかでも保育事業、介護事業で高い成長を見込んでおり、主要3事業の売上構成比はさらにバランスの取れたものになり、全体の成長を図りながら事業構造の変革に取り組んでいく方針となっている。
(3) 重点施策
計画達成に向けた重点施策として、以下の3点を挙げている。
a) 事業間の連携によるシナジーを差別化として、地域包括ケアシステムを推進
地域包括ケアシステムの推進にあたっては、現在、UR都市機構など大手デベロッパーと複数の候補案件について協議を進めており、ニーズの高いエリアにおいて医薬・介護・保育の事業を展開していく計画となっている。同社は地域包括ケアシステムの構築に必要不可欠な、医薬・介護・保育の事業を同時に手掛ける数少ない企業であり、それが今後の強みになると考えられる。デベロッパーとしても子どもから高齢者まで安心して暮らせる街づくりの開発を進めていくため、地域包括ケアシステムの構築が重要であるとの認識であり、同社の今後のビジネスチャンスは大きいと言える。
そのほか新たな取り組みとして、医薬事業ではオンライン服薬指導や即日配送サービスなど、介護事業ではホスピス施設の展開、保育事業では公立保育園の運営受託等を開始しており、3年間でこれらの新規事業をさらに推進し、収益成長につなげていく考えだ。
b) 効率運営と収益性を重視し、アセットライトな初期投資
投資方針としては、収益性と効率を重視しアセットライトな投資を基本に、M&Aなども行いながら進めていくことにしている。M&Aはすべての事業を対象としており、ドミナント戦略の強化やシナジー効果が期待できる案件で、運営状況なども見極めながら良質な案件に絞って実施していく方針だ。
c) 組織力の強化により選ばれる信頼のミアヘルサを確立する
組織力の強化によって、サービス品質の向上と利益率の改善を図っていくほか、多様な人財の育成と働きやすい職場環境づくりを行っていくことで、経営基盤を強化していく。また、パートナーシップの強化も図りながら協働による成長加速も目指していく。
(4) 事業セグメント別戦略
a) 医薬事業
医薬事業では2024年3月期に売上高10,000百万円(前期比14.5%増)、営業利益率で7.2%以上(前期実績6.5%)を目指している。売上高については、主に店舗数の拡大による処方箋枚数の増加によって達成していく計画となっており、店舗数については前期末の40店舗から46店舗(M&Aで増える可能性あり)に拡大していく計画で、主には駅前立地の医療モールへの出店を進めていく。また、首都圏の大病院前に多く店舗を展開していることから、薬剤師の知識や経験レベルが高いため全店舗で高度薬学管理が可能なほか、HIT調剤サービスも行っているため、今後の需要増加が見込まれる在宅医療向けでの売上拡大も見込まれる点が強みとなる。
利益率の改善施策としては、調剤技術料が門前薬局よりも約7%高い医療モールへの出店を強化していくことや、他事業との連携によるシナジー効果を見込んでいる。具体的には、今後、拠点数を拡大していくホスピス施設内の患者向けに近隣のグループ店舗からHIT調剤サービスを提供していくことにしている。
そのほか、人財育成投資(かかりつけ薬剤師、認定薬剤師の育成)や、調剤薬局の機能強化とサービスの充実(高度薬学管理の更なる強化とかかりつけ薬局、地域連携薬局、健康サポート薬局としての機能強化等)に加えて、ICTの活用による顧客の利便性向上(オンライン服薬指導、即日配送等)と業務効率の向上にも取り組んでいく方針だ。業績目標の達成については、出店計画が予定どおり進めば十分可能な水準にあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
1. 中期経営計画
(1) 計画策定の背景
コロナ禍で社会様式が大きく変わり、ミアヘルサ<7688>を取り巻く経営環境についても変化し、様々なリスクがあるなかで、中長期展開の加速に向けての基盤整備を進める期間と位置付け、3ヶ年に実行すべきことを今回の中期経営計画として策定した。
(2) 基本方針と経営数値目標
基本方針として、「首都圏に人々の生涯を支える企業として信頼のミアヘルサ・ブランドを確立する」ことを掲げている。少子高齢化社会の進展と女性の就業率向上といった社会環境の変化を成長機会と捉え、医薬・介護・保育・食品の4事業の機能連携によるシナジーを差別化戦略として、「地域包括ケアシステム」の推進に取り組むことで、業績成長と企業価値の向上を目指していく。
経営数値目標としては、最終年度となる2024年3月期に売上高20,000百万円、営業利益640百万円、経常利益600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円とし、自己資本比率で30%以上、ROEで10%以上を掲げている。2022年3月期は先行投資負担増で一旦、減益となる見込みだが、2023年3月期以降増収増益に転じる計画で、3年間の年平均成長率は、売上高で6.1%、営業利益で25.7%と高成長を目指している。
事業セグメント別の2024年3月期売上計画を見ると、医薬事業で10,000百万円(3年間の年平均成長率4.6%)、介護事業で4,090百万円(同8.1%)、保育事業で5,000百万円(同8.4%)、その他で910百万円(同1.9%)となり、すべての事業で成長を見込んでいる。なかでも保育事業、介護事業で高い成長を見込んでおり、主要3事業の売上構成比はさらにバランスの取れたものになり、全体の成長を図りながら事業構造の変革に取り組んでいく方針となっている。
(3) 重点施策
計画達成に向けた重点施策として、以下の3点を挙げている。
a) 事業間の連携によるシナジーを差別化として、地域包括ケアシステムを推進
地域包括ケアシステムの推進にあたっては、現在、UR都市機構など大手デベロッパーと複数の候補案件について協議を進めており、ニーズの高いエリアにおいて医薬・介護・保育の事業を展開していく計画となっている。同社は地域包括ケアシステムの構築に必要不可欠な、医薬・介護・保育の事業を同時に手掛ける数少ない企業であり、それが今後の強みになると考えられる。デベロッパーとしても子どもから高齢者まで安心して暮らせる街づくりの開発を進めていくため、地域包括ケアシステムの構築が重要であるとの認識であり、同社の今後のビジネスチャンスは大きいと言える。
そのほか新たな取り組みとして、医薬事業ではオンライン服薬指導や即日配送サービスなど、介護事業ではホスピス施設の展開、保育事業では公立保育園の運営受託等を開始しており、3年間でこれらの新規事業をさらに推進し、収益成長につなげていく考えだ。
b) 効率運営と収益性を重視し、アセットライトな初期投資
投資方針としては、収益性と効率を重視しアセットライトな投資を基本に、M&Aなども行いながら進めていくことにしている。M&Aはすべての事業を対象としており、ドミナント戦略の強化やシナジー効果が期待できる案件で、運営状況なども見極めながら良質な案件に絞って実施していく方針だ。
c) 組織力の強化により選ばれる信頼のミアヘルサを確立する
組織力の強化によって、サービス品質の向上と利益率の改善を図っていくほか、多様な人財の育成と働きやすい職場環境づくりを行っていくことで、経営基盤を強化していく。また、パートナーシップの強化も図りながら協働による成長加速も目指していく。
(4) 事業セグメント別戦略
a) 医薬事業
医薬事業では2024年3月期に売上高10,000百万円(前期比14.5%増)、営業利益率で7.2%以上(前期実績6.5%)を目指している。売上高については、主に店舗数の拡大による処方箋枚数の増加によって達成していく計画となっており、店舗数については前期末の40店舗から46店舗(M&Aで増える可能性あり)に拡大していく計画で、主には駅前立地の医療モールへの出店を進めていく。また、首都圏の大病院前に多く店舗を展開していることから、薬剤師の知識や経験レベルが高いため全店舗で高度薬学管理が可能なほか、HIT調剤サービスも行っているため、今後の需要増加が見込まれる在宅医療向けでの売上拡大も見込まれる点が強みとなる。
利益率の改善施策としては、調剤技術料が門前薬局よりも約7%高い医療モールへの出店を強化していくことや、他事業との連携によるシナジー効果を見込んでいる。具体的には、今後、拠点数を拡大していくホスピス施設内の患者向けに近隣のグループ店舗からHIT調剤サービスを提供していくことにしている。
そのほか、人財育成投資(かかりつけ薬剤師、認定薬剤師の育成)や、調剤薬局の機能強化とサービスの充実(高度薬学管理の更なる強化とかかりつけ薬局、地域連携薬局、健康サポート薬局としての機能強化等)に加えて、ICTの活用による顧客の利便性向上(オンライン服薬指導、即日配送等)と業務効率の向上にも取り組んでいく方針だ。業績目標の達成については、出店計画が予定どおり進めば十分可能な水準にあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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