ミアヘルサ Research Memo(5):2021年3月期は売上高と最終利益で過去最高を更新

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最新投稿日時:2021/07/16 15:05 - 「ミアヘルサ Research Memo(5):2021年3月期は売上高と最終利益で過去最高を更新」(フィスコ)

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ミアヘルサ Research Memo(5):2021年3月期は売上高と最終利益で過去最高を更新

配信元:フィスコ
投稿:2021/07/16 15:05
■業績動向

1. 2021年3月期の業績概要
ミアヘルサ<7688>は2020年7月より東昇商事を子会社化したことに伴い、2021年3月期第2四半期累計業績から、連結決算を開始している。前期単独業績との比較で見ると、売上高は前期比0.4%増の16,754百万円、営業利益は同8.5%減の322百万円、経常利益は同0.7%増の340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同9.7%増の478百万円となり、営業利益を除いて増収増益となった。また、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益については過去最高を更新している。

売上高については、医薬事業の減収を、保育事業、介護事業、食品事業の増収や、M&Aで取得した東昇商事(保育事業)の売上高371百万円が加わったことで増収となった。営業利益は、医薬事業の減益をその他3事業の増益でカバーできず減益となったものの、EBITDA(営業利益+減価償却費357百万円+のれん償却額23百万円)では前期比4.1%増の703百万円となった。また、営業外収支は、保険解約返戻金の計上等により32百万円改善し、特別利益として設備等補助金収入469百万円、特別損失として減損損失58百万円を計上した。

会社計画に対しては、売上高で若干未達となったものの、経費削減等の効果により各利益はそれぞれ上回って着地した。事業セグメント別では、医薬事業が売上高、セグメント利益ともに計画を下回ったが、そのほかの事業はすべて計画を上回って着地した。

(1) 医薬事業
医薬事業の売上高は前期比7.3%減の8,730百万円、セグメント利益は同8.8%減の568百万円となった。新型コロナウイルス感染症の感染予防を目的とした病院の外来抑制や処方日数の長期化によって、処方箋枚数が前期比13.0%減の555千枚と大きく減少したことが減収要因となった。処方箋単価については、長期処方の増加に加えて、抗HIV薬、抗がん剤や希少疾患薬等の高額薬品の処方が増加したこと、また、「かかりつけ薬局」としてのサービスの充実及び後発医薬品調剤体制加算の取得店舗数増加や、「在宅医療業務」等の推進により、前期比7.3%増の15,253円と上昇したものの、処方箋枚数の減少に伴う調剤技術料収入の落ち込みが減益要因となった。ただ、利益率は経費の削減に努めたことや医薬品卸との仕入価格交渉が順調に進んだこともあり、ほぼ前期並みの水準を維持することができた。

2021年3月期については店舗数の増減は無く、期末で40店舗となっている。新たな取り組みとして、2020年9月より全店舗でビデオチャット機能を使用したオンライン服薬指導のサービスを開始したほか、2021年1月より都内23区を配送対象地域として、お薬の即日配送サービスの試験運用を開始し、また、2021年3月には全店舗でQRコード決済及びバーコード決済等のキャッシュレス決済システムを導入するなど、顧客の利便性向上に向けた取り組みを推進した。

(2) 介護事業
介護事業の売上高は前期比1.0%増の3,237百万円、セグメント利益は同3.6%増の149百万円となった。コロナ禍が続くなかで、感染予防の観点から通所介護(デイサービス)の利用者数が前期比10.5%減の100千人と落ち込んだ一方で、2020年7月に事業承継した2事業所(グループホーム、小規模多機能ホーム、千葉県柏市)の売上が加わったほか、2020年8月にはサービス付き高齢者向け住宅「日生オアシス東新小岩」(東京都葛飾区)内に新たに「在宅ホスピス専用フロア(定員15名)」及び訪問看護事業所(1事業所)を開設したことが増収要因となった。また、サービス付き高齢者住宅(特定施設含む)の入居率については、94.6%と前期とほぼ同水準で推移した。利益面では、業務の効率化及びコストの適正化に取り組んだことで増益となり、利益率も前期の4.5%から4.6%と若干上昇した。

2020年7月に事業承継したグループホームと小規模多機能ホームについては、ミサワホーム(株)のグループ会社である(株)マザアスと業務連携協定を締結して実現したもので、2021年3月末時点でグループホームは満床、小規模多機能ホームも順調に利用者数が増加している。マザアスは千葉県北西部を中心に介護サービス事業を展開しており、今後、相互に協力して千葉県柏市エリアにおける「地域包括ケアシステム」の構築に取り組み、「地域No.1」を目指していく方針だ。

また、末期がんの患者を中心に終末期における緩和ケアのニーズの高まりを受け、新たに開始したホスピス事業についても順調に立ち上がっている。「日生オアシス東新小岩」の2階にホスピス専用フロアを設置しており、既存入居者の反応が懸念されたが、24時間対応の訪問看護ステーションも開設したこともあり、評判としてはポジティブに受け止める入居者が殆どだったようだ。そのほか、2021年3月には「ミアヘルサ グループホーム新座」(埼玉県新座市)を開設している。新座市ではサービス付き高齢者向け住宅やデイサービス、24時間対応の巡回サービス、ケアマネジャー事業所などを運営しており、今回、認知症ケア専門の入居施設を新たに展開することで、地域住民との連携を図りながら、地域包括ケアシステムの実現を目指していくことにしている。なお、2021年3月期末の介護事業所数・施設数は、前期末比で4事業所増加の61事業所となっている。

(3) 保育事業
保育事業の売上高は前期比21.7%増の3,926百万円、セグメント利益は同8.9%増の355百万円となった。受入園児数が前期比16.5%増の20,525人に増加したことが増収要因となった。受入園児数は前期比で2,909人増加したが、このうち2019年4月に開設した3園及び定員を増やした3園等で390人、2020年4月に開園した3園で1,212人、同年7月に子会社化した東昇商事の6園で1,307人の増加要因となっている。東昇商事の売上貢献371百万円を除いても前期比で約10%増収となっている。利益面でも、コロナ禍で感染対策費用が増加したものの全体に与える影響は軽微であった。利益率は前期の10.1%から9.1%に低下したが、これは減価償却費が50百万円増加したことや、のれん償却額23百万円を計上したことによるもので、EBITDAマージンで見ると15.3%と前期実績の15.5%とほぼ同水準を維持している。

なお、2020年7月に子会社化した東昇商事は、東京と神奈川で6園を運営しており、事業エリアが同一エリア内で効率的な運営が可能であることに加え、既存の保育園との地理的な重なりが少ないことから、シナジー効果が大きいと判断して子会社化した。この結果、2021年3月期末の運営保育園数は前期末比7園増加の30園となった。なお、2021年4月には新たに葛飾区に2園、武蔵野市に1園の認可保育園を開園したほか、墨田区すみだ保育園の指定管理者(指定期間:2021年4月から5年間)として受託運営を開始しており、すべて認可保育所となっている。また、保育園名についても、「日生保育園ひびき」や子会社の「マリー保育園」など複数の園名で運営していたが、同年4月より「ミアヘルサ保育園ひびき」に統一している。

(4) その他
食品事業の売上高は前期比2.5%増の859百万円、セグメント利益は同84.3%増の36百万円となった。学校給食部門が、2020年4月~5月に緊急事態宣言下で休校となった影響で前期比30百万円の減収となったものの、フランチャイジーとして3店舗展開している宅配寿司「銀のさら」の販売が好調に推移し、同25百万円増加となったほか、新たに足立区内の保育園、介護施設に食材の販売を開始し、25百万円の売上を計上したことが増収要因となった。利益面では、増収効果に加えて業務効率化とコストの適正化に取り組んだことが増益要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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