株価は上方の窓の大半を埋める 戻り売りパターン
昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 68.61 ドル高の 33945.58、ナスダック総合指数は 111.79 ポイント高の 14253.27 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28850 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみあいスタートを想定。前日終値近辺から始まると思われる。
ナスダックは最高値を更新したことで、日本のハイテク株にも買いが優勢となりそうだ。ただ、日本株はすでに前日の大幅高を受けて、米株高を先取りしている状況。楽観ムードはそれほど高まっておらず、日本株への好影響は限定的となりそうだ。
日経平均の日足チャートではすでに、上方の窓の大半を埋める形。上昇幅は限定的であり、上値余地は限られていると思われる。
基本的には窓理論の法則2の上方の窓埋め。戻り売りパターンであり、ここからの上昇幅は限られてくるだろう。目先は戻り売り圧力が強まり、下値を試す動きとなりそうだ。
もし、チャートが復活するのであれば、上方の窓上限(28875.39 円)を終値ベースで突破したとき。このとき初めてチャートが強気形状に変化し、一連の急落相場の反動が期待できる状況となる。
昨日の米株高はパウエル議長の議会証言で、「インフレは一時的」という言葉に安心したものだが、議長の発言を「鵜呑みにできない」のが現状だ。もし、制御の効かないインフレに突入した場合には、FRB はさらに前倒しで利上げを実施せざるを得なくなる。そういった危険性がくすぶるなかで、FRB のパフォーマンスに素直に騙されていいのか――といった問題はある。足元の米インフレ率の高まりは、そういった「危険信号」でもあり、投資家は「そうじゃなかったとき」を想定しながら行動するようにしたい。