下値を試す流れ 下ひげの効力を確認
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 45.86 ドル高の 34575.31、ナスダック総合指数は 12.26 ポイント安の 13736.48 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28720 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はやや軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、長い下ひげが出現。下方の窓の大半を埋めており、強い調整一巡感が漂っている。相場の強さを示しており、押し目買いの安心感がある。
ただ、本日は改めて下値を試す流れとなりそうであり、この下ひげがホンモノかどうか確認する場面だ。短期的には窓下限(28587.21 円)までの下落余地があるものの、もし、上昇するならば、ここに到達することなく、すぐに切り返すはずだ。逆に窓埋めを行うようであれば、強気形状を維持していても、「相場は弱い」という認識となる。
東京株式市場は基本的に手掛かり材料難の閑散相場が予想される。リバウンド相場は継続しているものの、インフレ率、米長期金利の動向に敏感になっている。昨晩のNY株の急速の伸び悩みは、予想以上の経済指標が要因となった。5 月のISM製造業景気指数が61.2 となり、市場予想の 60.9 を上回ったのだ。「景気拡大、インフレ率の上昇が米長期金利を押し上げる」との見方が広がり、上昇幅が縮小する流れとなった。市場は思いのほか「神経質な状態」にあるようだ。
投資家は足元の軟調な推移を冷静に受け止め、暫定的にでも「買いポジション」を維持しなければならない。今度は上方の窓を埋める順番であり、基本的には 500 円ちょいの上値余地がある。
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