■強みと課題
1. 強み ~ 「トランスフォーメーション力」を支える「企業文化」「顧客基盤」「財務体質」
会社沿革・事業内容・業績動向の考察から浮かび上がるCAC Holdings<4725>最大の強みは、時代によって変化する社会のニーズ・課題に応じて自らを変革する力、すなわち「トランスフォーメーション(企業変革)力」である。
同社は独立系ソフトウェア専門会社としての成長に安住することなく、「M&Aによる事業拡大」に「選択と集中による事業構造改革」を織り交ぜながら現在のIT&ヘルスケアサービス企業へと進化してきた。その「トランスフォーメーション力」を支えているのが、「挑戦を是とする企業文化(経営の意思)」「事業拡大の核となる優良な顧客基盤」「機動的な財務戦略を可能とする盤石な財務体質」である。
同社は「顧客指向」「CSV重視」という使命・目的(経営理念)が明確であるため、目的達成のために必要な「挑戦」が是とされる企業文化が根付いたと弊社は推察している。他社に先駆けた海外IT事業による海外進出といった挑戦や新たなCRO事業領域への進出・事業拡大に向けた挑戦の奏功をはじめ、同社は「挑戦」によって事業を拡大し成長を続けてきた。こうした「挑戦」は、日本初の独立系SIerとして築き上げた「優良な顧客基盤」との良好な関係の賜物と言える。つまり、「挑戦」のシーズを生み出しているのが「優良な顧客基盤」というわけだ。
また、M&A戦略や迅速な事業構造改革、安定的な株主還元を支えているのが「盤石な財務体質」である。現在に至るまでリクルート株式を大量に保有しているのは、リクルートが重要な取引先であるためであるだろう。しかし同社は「盤石な財務体質」を築くため、必要に応じてリクルート株を売却してきた実績を持つ。この点も、顧客との良好な関係が同社の財産となっている好事例となっている。
2. 課題 ~ どうやって収益性を高めるか
当初の中期経営戦略「Determination 21」を策定する際に同社が課題としたのは、1)事業利益の継続的な創出、2)グループガバナンスの強化、3)DXへの対応、であった。また、2018年に同社社外取締役に就任した森時彦(もりときひこ)氏は、同社のアニュアルレポート2019において「M&Aや事業投資案件の議論に際しては、議論のための準備がもっと必要」「企業価値を向上させていくためには、まず営業利益率を高めていくことが重要」「攻めのガバナンスによる株主価値向上への意欲をもっと高く持つよう変革を促していきたい」などと明言していた。
ガバナンス強化を基本方針の第一に据える最新の中期経営戦略の遂行により一定の成果が見えはじめるなかで、最終年度となる2021年12月期の注力ポイントに高収益モデルの確立とDX対応の強力推進を挙げている。これらを達成するためには「どうやって収益性を高めるか」が、同社にとって最大の課題であろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<EY>
1. 強み ~ 「トランスフォーメーション力」を支える「企業文化」「顧客基盤」「財務体質」
会社沿革・事業内容・業績動向の考察から浮かび上がるCAC Holdings<4725>最大の強みは、時代によって変化する社会のニーズ・課題に応じて自らを変革する力、すなわち「トランスフォーメーション(企業変革)力」である。
同社は独立系ソフトウェア専門会社としての成長に安住することなく、「M&Aによる事業拡大」に「選択と集中による事業構造改革」を織り交ぜながら現在のIT&ヘルスケアサービス企業へと進化してきた。その「トランスフォーメーション力」を支えているのが、「挑戦を是とする企業文化(経営の意思)」「事業拡大の核となる優良な顧客基盤」「機動的な財務戦略を可能とする盤石な財務体質」である。
同社は「顧客指向」「CSV重視」という使命・目的(経営理念)が明確であるため、目的達成のために必要な「挑戦」が是とされる企業文化が根付いたと弊社は推察している。他社に先駆けた海外IT事業による海外進出といった挑戦や新たなCRO事業領域への進出・事業拡大に向けた挑戦の奏功をはじめ、同社は「挑戦」によって事業を拡大し成長を続けてきた。こうした「挑戦」は、日本初の独立系SIerとして築き上げた「優良な顧客基盤」との良好な関係の賜物と言える。つまり、「挑戦」のシーズを生み出しているのが「優良な顧客基盤」というわけだ。
また、M&A戦略や迅速な事業構造改革、安定的な株主還元を支えているのが「盤石な財務体質」である。現在に至るまでリクルート株式を大量に保有しているのは、リクルートが重要な取引先であるためであるだろう。しかし同社は「盤石な財務体質」を築くため、必要に応じてリクルート株を売却してきた実績を持つ。この点も、顧客との良好な関係が同社の財産となっている好事例となっている。
2. 課題 ~ どうやって収益性を高めるか
当初の中期経営戦略「Determination 21」を策定する際に同社が課題としたのは、1)事業利益の継続的な創出、2)グループガバナンスの強化、3)DXへの対応、であった。また、2018年に同社社外取締役に就任した森時彦(もりときひこ)氏は、同社のアニュアルレポート2019において「M&Aや事業投資案件の議論に際しては、議論のための準備がもっと必要」「企業価値を向上させていくためには、まず営業利益率を高めていくことが重要」「攻めのガバナンスによる株主価値向上への意欲をもっと高く持つよう変革を促していきたい」などと明言していた。
ガバナンス強化を基本方針の第一に据える最新の中期経営戦略の遂行により一定の成果が見えはじめるなかで、最終年度となる2021年12月期の注力ポイントに高収益モデルの確立とDX対応の強力推進を挙げている。これらを達成するためには「どうやって収益性を高めるか」が、同社にとって最大の課題であろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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