STIフードHD Research Memo(3):セブン-イレブン向けが売上高の82%を占める

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最新投稿日時:2021/03/17 15:13 - 「STIフードHD Research Memo(3):セブン-イレブン向けが売上高の82%を占める」(フィスコ)

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STIフードHD Research Memo(3):セブン-イレブン向けが売上高の82%を占める

配信元:フィスコ
投稿:2021/03/17 15:13
■事業概要

1. 事業内容
STIフードホールディングス<2932>は食品製造販売事業を単一セグメントとしているが、販売先別及び製品別の分類を行っている。販売先別では、セブン-イレブン向け売上高が82%を占める(2020年12月期、以下同)。セブン-イレブン向け82%の内訳は、チルド惣菜が62%、おにぎり具材が16%、冷凍食品・常温食品・缶詰が4%である。その他の18%は、くら寿司<2695>向けイクラや白子、カルディ向け缶詰や珍味などで、キャットフードの製造やOEMの受託も行っている。製品別では、水産原材料を使ったチルド惣菜や缶詰、レトルト製品など食品が83%、おにぎり・弁当・パスタ・サラダ向けに製造・販売される水産具材など食材が17%となっている。なお、商流は食品がセブン-イレブン各店への販売(物流は各地デポへの配送)、食材は食材商社などを通じておにぎりなどを製造するデイリー惣菜メーカー(コンビニベンダー)向けに販売されている。

(1) 食品
素材となるサーモン、サバ、イワシ、イカ、タコ、赤魚、ムール貝などは、旬の時期に国内外で水揚げされた原料を徹底した検品体制のもとに調達し、チルド温度帯で下処理から骨取り、加熱調理、冷却、包装まで一貫製造を行うことで、おいしさを逃がさないようにしている。また、チルド惣菜は一般に消費期限が短いため、販売機会ロスやフードロス(廃棄)に繋がりやすいという課題を抱えていたが、同社は商品包装で特殊なプロセスを入れることで、消費期限の大幅な延長を実現した。チルド惣菜以外では、サバ、イワシ、サンマ、牛筋煮込み、チキンのトマトソース煮など水産原材料などを使った缶詰・レトルト製品も、保存するばかりでなく毎日の食卓におかず(惣菜)として食べられることをコンセプトに製造している。特にサバやイワシはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含むことから、ヘルシー食品として需要が伸びている。オリーブオイルを豊富に使用した商品やカルシウム豊富な骨をそのまま食べられる缶詰なども注目されている。

(2) 食材
コンビニエンスストアのおにぎりの素材となるサーモンやイクラ、辛子明太子などに関しても、食品と同様、旬の時期に国内外で水揚げされたのち徹底した検品を経て調達した原料を使っている。売れ筋のサーモンフレークは、特許取得済みの特殊な製法により家庭での焼き立ての味や食感を再現することができ、日本人のみならず外国人からも好評である。イクラに関しては、菌管理の問題からおにぎりの具材として使用が難しいと考えられてきたが、これも特許取得済みの同社独自の静菌管理技術(細菌の発育・増殖を抑制する技術)によって使用が可能となり、着色料・添加物を使用しない、熟成したサーモン卵本来のおいしさを引き出すことを実現した。辛子明太子についても、熟成による自然なおいしさに加えて着色料・添加物を使用しない安全・安心な食材として消費者に好評だが、新たに申請予定の特許技術によってさらに進化することが見込まれている。


調達と製造にはおいしさや安全につながるこだわりがある
2. 調達体制と製造体制
同社は、水産原材料をその時々の相場価格で複数の商社・問屋から広く調達することにより、必要なサイズ、必要な数量を安定して調達できる仕組みを構築している。これは、冷凍とはいえ鮮度のために在庫期間は長くても3ヶ月と考えているからである。さらに、同社の現地社員は原則自ら素材の検品や加工状況などに立ち会って現物を確認している。例えばチリでの養殖素材の調達では、同社子会社のSTI CHILE S.A.の担当者が、養殖水域の水質や養殖状況から、稚魚から水揚げ前までの期間に投与された抗生物質が残留していないことの分析証明まで、トレーサビリティ(製品・調達原料の製造・流通過程を追跡可能にするための管理体制)の確保を徹底して行っている。

同社は、東北及び関東、東海、九州に製造拠点を有している。工場ごとに異なる得意分野や商品群を組み合わせることで、コンビニエンスストアが必要とする3温度帯(冷凍・チルド・常温)の食品や食材の製造を行っている。これら工場は子会社が運営しており、主にコンビニエンスストア向けに水産惣菜(焼魚、煮魚、シメサバ、サラダフィッシュ等)を手掛けているのが(株)STIフード、(株)STIデリカ、(株)STIエナック、(株)ヤマトミで、素材のおいしさを最大限に引き出すためチルド(冷蔵)温度帯で製造から出荷、販売までを一貫して行っている(一部工場では冷凍惣菜の製造・販売も行っている)。おにぎりや弁当、パスタ、サラダなどに使用されるサーモンフレーク、イクラ、辛子明太子といった水産食材を、食材商社などを通じてデイリー惣菜メーカー(コンビニベンダー)に製造・販売しているのがSTIエナック、三洋食品(株)、ヤマトミである。同社は、こうした工場から北海道を除く全国のセブン-イレブンやベンダーに商品を供給しているのだが、現在、チルド惣菜が同社生産能力を上回る勢いで伸びていること、及び関西エリアに工場がないため製造拠点網が最適化されていないことが課題となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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配信元: フィスコ

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