ベネ・ワン Research Memo(6):二大プラットフォームの普及と顧客の意識改革で流通マージンなしの社会へ

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最新投稿日時:2020/12/11 15:46 - 「ベネ・ワン Research Memo(6):二大プラットフォームの普及と顧客の意識改革で流通マージンなしの社会へ」(フィスコ)

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ベネ・ワン Research Memo(6):二大プラットフォームの普及と顧客の意識改革で流通マージンなしの社会へ

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/11 15:46
ベネフィット・ワン<2412>の中長期の成長戦略

1. 市場動向
同一労働同一賃金や時間外労働の上限規制といった働き方改革関連法の制定や、テレワークの推進といった「ニューノーマル」への対応を受け、企業の規模を問わず従業員の環境改善に向けた取り組みはより一層加速する見通しだ。情報管理面では、日本版コーポレートガバナンス・コードの適用を皮切りに、今後「人的資本の情報開示」の義務化も見込まれている。人事関連のビッグデータを持つベネワン・プラットフォームはこうした潮流における重要なデータベースとなる可能性が高く、企業の人事部にとってはDX推進における主要インフラになると予想される。

また、同一労働同一賃金は賃金だけでなく、福利厚生、キャリア形成、能力開発なども対象となる。非正規労働者に対しても従業員並みの福利厚生を提供することが求められることから、約2,000万人の非正規労働者という潜在市場が足元で生まれつつある。

2. ベネワン・プラットフォームを人事関連DXの中心的ツールへ
同社が福利厚生のリーディングカンパニーからHRDXをサポートするリーディングカンパニー(プラットフォーマー)への転換を図る主力サービスがベネワン・プラットフォームである。2021年度の全顧客への提供を見据え、足元ではプラットフォームへの乗り換えを推進している。顧客の反応も良好であるなか、想定どおり乗り換えが進むと考える。

プラットフォームの利用自体は普及促進に向けて無償で提供しており、顧客企業におけるDXの加速を主導している。従業員に関する広範なデータが組み込まれていることから情報を一元管理できるといった利点もあり、個人情報の保護・効率管理の点でも訴求力は強そうだ。こうした利便性の高さもあって、顧客層における課金アプリの利用拡大の確度は高いとみる。

福利厚生事業では、足元で中小企業の解約が見込まれる。ただ、目先では需要の根強い主要顧客の大企業などを中心に営業を注力している。大手企業では1つの契約で多くの従業員が対象に加わるため、スケールメリットを短期間で得やすい。内定を複数受けるなど進捗は順調で、2022年3月期には収益の計上が期待される。

中小企業については、国内における従業員数で見れば中小企業が最大の市場層となるため、引き続き訴求を継続する考えだ。昨今では中小企業において人手不足の問題が顕在化しており、人材確保の観点からも福利厚生サービスに対する需要は旺盛で、売上の成長ポテンシャルは依然として大きい。

そのほか、2021年3月期下期で進めているサービスのサプライヤー開拓も2022年3月期以降継続する見通しで、割引メリットの更なる改善も今後の強みになると推測される。

3. 給与天引きプラットフォームの普及による収益モデルの変革
今後の成長戦略のもう1つの柱である決済事業も準備中である。ベースとなる構想は2つで、「給与天引き構想」「ベネ・ウォレット構想」となる。

「給与天引き構想」とは、家賃のほか、水道光熱費、携帯料金、ネット料金といった従業員にとっての固定費をすべて給与天引きにしていくというものである。同社はサービスサプライヤーから決済手数料を受け取ることで収益を上げる。従来サービスサプライヤーが支払っていた代理店手数料や送客手数料が不要になり、その分を従業員(ベネフィット・ワン会員)に割引価格として還元するため、従業員は理論上最安値でサービスを受けることができる。顧客企業としては、従業員満足度の向上や福利厚生の公平性の担保が図れる。また、サプライヤーも営業費を抑えながら大口契約を得られるというメリットがある。同社はこの構想が進展することで、多様なサービスの給与天引きを通じて決済手数料を受け取ることができる。

もう1つの「ベネ・ウォレット構想」とは、店舗決済型のソリューションである。ただ、足元の激しいキャッシュレス競争や店舗開拓コストなどを踏まえるとリスク対比でのリターンは大きくない。また、多様なサービスのサブスクリプション化が進むなか、店舗決済の割合が減少しつつある。こういった動向を踏まえ、ベネ・ウォレットの計画はスタートを後ろ倒しにしている。

4. BtoEの日本唯一のプラットフォーマー目指す
同社は二大プラットフォームを普及させることで、BtoE分野での日本唯一のプラットフォーマーになることを掲げている。プラットフォーム上では国内のあらゆるサービスを集約させ、顧客企業が抱える従業員をエンドユーザーとしてサービスを提供する考えだ。従業員側はサービスの検索から始まり、申し込み、決済、利用といった一連の流れをプラットフォームにおいてワンストップで行うことができる。

この構想の実現に関連し、BtoEにはBtoCと比べて大きな強みがある。具体的には、「販売手数料を従業員に還元できるので理論上最安値が提供できる」「人事関連のビッグデータを活用するので、健康や勤怠など広範なデータを元にしたより高精度なレコメンドができる」「個人ごとの雑多な決済ではなく企業単位で集約した決済とすることで、決済コストを低減できる」といった点だ。

同社は国民の半分を占める就業人口と、その家族なども含めた全人口を潜在顧客として捉えている。二大プラットフォームとBtoE独自の強みを生かし、「最安値でのサービス」「最もローコストな決済」を全国民に提供する。それを通じて、流通マージンなしの社会を目指す計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)


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配信元: フィスコ

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