ドル円は105円台前半に下落 ワクチンと感染拡大の現実との間で動き一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが優勢となり、前日の105円台半ばから105円台前半まで値を落とした。ファイザー、独ビオンテックのワクチン候補の臨床試験で90%がウイルス感染を予防したとの中間報告から、今週の市場はこれまで以上にワクチンへの期待感を高めた。米株も急伸し、米国債利回りの急上昇と伴にドル円も大きな心理的節目である105円台を一気に回復した。
しかし、きょうの市場は米国での足元の感染状況に冷静になっているようだ。米新規感染者が14万人を超え過去最多更新が続いている。9日連続で10万人を超え、入院患者も2日連続で過去最多を更新。ワクチン開発への期待とは裏腹に、過去最多の感染拡大という足元の現実との間で、市場は動きを一服させた模様。
ドル円は上値では日本の輸出企業の売りなども観測されているが、105円台を堅持している。底堅さを感じさせる展開を見せており、チャート的は上値に向けて次の材料待ちといった雰囲気を示現している。
ユーロドルは1.18ドル台に戻す展開。きのう、きょうと21日線を割り込む場面を見せたが、いまのところはその上の水準は維持されている。
市場は12月のECB理事会での追加緩和を確実視している。きのうラガルド総裁は利下げには消極的な姿勢を示し、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)や、金融機関への的を絞った長期リファイナンスオペ(TLTRO)の活用が有力との見解を示していた。市場もその方向で織り込んでいる。注目は規模に移っているが、週初からのワクチンへの期待の高まりで、規模は想定より小さくなる可能性も指摘されている。
ポンドは本日安値圏での推移。英BBCがEU外交筋の話として、英国との貿易交渉に悲観を示唆したと伝えていた。ジョンソン英首相の上級顧問でメディア戦略担当のケイン氏が辞任した。首相府内部の権力闘争が背景にあり、政権の安定を揺るがしかねないとの声も出ている。このニュースに首相に強い影響力を持つカミングス上級顧問の将来にも不透明感が高まっている。ケイン氏に続きカミングス氏も辞任となれば、最終段階に入ったEUとの交渉に支障が出るとの懸念も広がっているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
しかし、きょうの市場は米国での足元の感染状況に冷静になっているようだ。米新規感染者が14万人を超え過去最多更新が続いている。9日連続で10万人を超え、入院患者も2日連続で過去最多を更新。ワクチン開発への期待とは裏腹に、過去最多の感染拡大という足元の現実との間で、市場は動きを一服させた模様。
ドル円は上値では日本の輸出企業の売りなども観測されているが、105円台を堅持している。底堅さを感じさせる展開を見せており、チャート的は上値に向けて次の材料待ちといった雰囲気を示現している。
ユーロドルは1.18ドル台に戻す展開。きのう、きょうと21日線を割り込む場面を見せたが、いまのところはその上の水準は維持されている。
市場は12月のECB理事会での追加緩和を確実視している。きのうラガルド総裁は利下げには消極的な姿勢を示し、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)や、金融機関への的を絞った長期リファイナンスオペ(TLTRO)の活用が有力との見解を示していた。市場もその方向で織り込んでいる。注目は規模に移っているが、週初からのワクチンへの期待の高まりで、規模は想定より小さくなる可能性も指摘されている。
ポンドは本日安値圏での推移。英BBCがEU外交筋の話として、英国との貿易交渉に悲観を示唆したと伝えていた。ジョンソン英首相の上級顧問でメディア戦略担当のケイン氏が辞任した。首相府内部の権力闘争が背景にあり、政権の安定を揺るがしかねないとの声も出ている。このニュースに首相に強い影響力を持つカミングス上級顧問の将来にも不透明感が高まっている。ケイン氏に続きカミングス氏も辞任となれば、最終段階に入ったEUとの交渉に支障が出るとの懸念も広がっているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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