エムアップ Research Memo(1):株式交換による子会社取得等により2020年3月期上期業績は大きく拡大

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最新投稿日時:2020/01/06 15:01 - 「エムアップ Research Memo(1):株式交換による子会社取得等により2020年3月期上期業績は大きく拡大」(フィスコ)

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エムアップ Research Memo(1):株式交換による子会社取得等により2020年3月期上期業績は大きく拡大

配信元:フィスコ
投稿:2020/01/06 15:01
■要約

1. 会社概要
エムアップ<3661>は、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで、幅広いジャンルにおけるファンクラブサイトの事業を軸としながら、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、eコマース、電子チケットに至るまで、複合的な事業展開をしている。代表取締役の美藤宏一郎(みとうこういちろう)氏は、音楽業界(レコード会社)出身者。アーティストやタレント、スポーツ選手、キャラクターなど強力IP(Intellectual Property)の獲得に強みがあり、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで数多くの公式サイトを展開する。音楽市場全体が堅調に推移するなか、コアファンによる会員基盤に支えられながら同社の業績も安定推移してきた。また、2018年10月からはEMTG(株)の完全子会社化により事業基盤が大きく拡大。成長が期待できる「電子チケット事業」へ参入するとともに、2020年には「VR事業」のサービス開始も予定しており、同社は新たなステージを迎えている。

2. 2020年3月期上期決算の概要
2020年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比162.0%増の5,310百万円、営業利益が同129.9%増の339百万円と大幅な増収増益となった。売上高は、EMTGの連結効果(6ヶ月分)が増収に大きく寄与。「コンテンツ事業」や「EC事業」がそれぞれ底上げされたほか、新たに「電子チケット事業」が追加されたことにより業績が大きく拡大した。また、連結効果を除いても、会員数の伸びなどにより好調に推移しているようだ。利益面でも、第1四半期における開発費の一括償却による影響のほか、「電子チケット事業」への先行費用、のれん償却費などがコスト要因となったものの、増収による収益の底上げにより大幅な増益を実現した。また、活動面においても、EMTGとのシナジー創出(事業間連携やシステム強化など)を進めたほか、(株)イープラスとのチケットトレードに関する提携や「VR事業」のリリースに向けた準備(デモPR会の実施等)など、今後の成長に向けても一定の成果を残すことができた。

3. 2020年3月期の業績予想
2020年3月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比46.0%増の10,100百万円、営業利益を同103.5%増の820百万円と大幅な増収増益を見込んでおり、売上高は100億円を突破する見通しである。売上高は、上期に引き続き、グループシナジーの創出等により、「コンテンツ事業」「EC事業」「電子チケット事業」の3つの事業がそれぞれ伸長する見通しである。利益面でも、「電子チケット事業」等への積極投資を予定しているものの、増収による収益の底上げなどにより大幅な増益を実現し、営業利益率も8.1%(前期は5.8%)に大きく改善する見通しである。注目すべきは、2020年上旬にプレオープンを予定している「VR事業」の動向であり、順調に立ち上がってくれば2021年3月期以降の業績に大きく貢献する可能性が高い。加えて、2020年3月期中に国民的アイドルグループのIPを活用した大型スマートフォンアプリをリリースする予定もあり、こちらの動きにも注意する必要があろう。

4.今後の事業戦略
今後の事業戦略のポイントは、1) 基盤強化の継続、2) 事業シナジーの追求、3) 積極的な事業投資による成長加速である。具体的には、強力IPの獲得に向けた活動(基盤強化)を継続するとともに、IPと動画配信ノウハウを生かした独自の「VR事業」の展開、並びにIPとアプリの組み合わせによる公式アプリ展開(ファンメールを含む)といった事業シナジーの追求を目論む。また、電子チケットサービスを同社のファンクラブサイトやVRライブ事業へ導入するととともに、他社アプリへのOEM供給、チケットトレードセンター機能を生かした2次流通市場の創出など、成長加速に向けた新規事業投資にも積極的に取り組む方針である。弊社でも、市場拡大が期待される「VR事業」や「電子チケット事業」への参入が、中長期的な成長加速に結び付く可能性が高いと評価している。特に、「VR事業」については、同社ならではのIP獲得やVR体験の提供のほか、課金ポイント(マネタイズ)の巧拙が成功のカギを握るだろう。また、「電子チケット事業」についても、デファクトスタンダードと成り得る事業モデルとしての優位性はもちろん、会員の囲い込みによるクロスセルや2次流通市場の創出など、様々な可能性を秘めていることから、今後の展開に注目したい。

■Key Points
・2020年3月期上期の業績は株式交換による子会社取得等により大幅な増収増益を実現
・会員数の伸びや電子チケット事業の成長にも一定の成果
・2020年3月期の通期予想は据え置き(大幅な増収増益見通し)
・今後も強力IPの獲得を強化するとともに、「VR事業」や「電子チケット事業」を含む事業シナジーの創出により成長を加速する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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配信元: フィスコ

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