再び調整する可能性が高い
しかし、メインシナリオとしては、日経平均は10月3日に開けたマドを埋める水準(21700円程度)までの戻りで再び調整する可能性が高いと見る。
米国雇用統計は、雇用数の伸びは期待に届かなかったが、失業者数は期待よりも少なかった、という、非常にバランスのとれた?内容だった。これであれば、景気(業績)重視のアナリストも、金利重視のアナリストも、「まだ上昇余地がある」、と発言することができる。しかし、近いうちに、米国市場は、どちらかを選択しなくてはならなくなるだろう。つまり、企業業績を選ぶのか、金融緩和期待を選ぶのか、だ。そしてどちらを選ぶことになるかは、すでにほとんどの人が分かっている。
今の相場が底堅く、期待感が大きいのは、「貿易摩擦の緩和」という、景気(業績)に大きくプラスとなる材料を取っておいてあるからだ。この潜在的な期待感があるからこそ、米国市場は底堅い動きをしている。
つまり、いずれ米国は景気の強さを市場の材料とせざるを得なくなるだろう。そう考えるときに、今回、もしFRBが金融緩和を行い、株式市場が上昇したとすると、それは同じ材料では最後になり、もし、その金融緩和でも景気が強くならなければ、市場には大きな調整圧力がかかってくることになりそうだ。その予兆が、先週の大幅下落にある。また逆にFRBが緩和姿勢を見せなければ、同じ下落をするにしても、それほど大きいものにはならないだろう。そちらのシナリオの方が、株式を拾いやすいはずだ。