昨日の米財務省による中国を「為替操作国に認定」の報道には驚かされました。年2回発表される「為替報告書」では為替操作国の認定には3つの条件(対米貿易黒字が200億ドル以上、経常黒字がGDP比3%以上、12ヶ月間の為替介入額がGDP比2%以上)が示されているものの、その3つに該当するのはかなり難しいものになっているとされていました。今回米財務省の声明文には「トランプ大統領の後押しが…」的な文言も記されており、明らかに為替操作国認定の背後にはトランプ大統領の存在がうかがえます。トランプ大統領はビジネスマンであり、政治家ではないだけに、何を仕掛けてくるのか周りも読めないというのはイメージしていましたが、ここまでとは…。そもそものきっかけは、1ドル=7人民元を突破したことでした。中国の元安は韓国・インドネシアといった新興国通貨にも波及、投資家が高リスクの新興国通貨を手放し円などの安全資産買いに動き、ドル円は1月3日以来の安値105円台ミドルを示現する場面も。
98年相場の再来?
上記で示した韓国・インドネシアの通貨安から筆者の記憶に蘇ってきたのはアジア通貨危機。そして今、今年の米株がその98年相場と似た動きになっているアナログチャートが市場に広がっているというのは不思議なものに感じます。もちろん、この先も同じ動きになるという保証はないわけですが、仮にその動きとシンクロした場合、一段の株安→リスクオフの動きに繋がることになるわけです。ただでさえ、8月は相場にとって下げやすい傾向がある月だけに、今後のこのアナログチャートの動きを注視していきたいと考えております。
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