東都水産 Research Memo(3):重要な機能を担う卸売市場

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最新投稿日時:2019/06/17 15:13 - 「東都水産 Research Memo(3):重要な機能を担う卸売市場」(フィスコ)

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東都水産 Research Memo(3):重要な機能を担う卸売市場

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/17 15:13
■会社概要

3. 水産流通の仕組み
(1) 水産流通
例えば黒潮を回遊する近海のマグロは、延縄(はえなわ)※漁によって捕獲する。1匹の重さは80kg~150kgにもなる。このようにして捕獲されたマグロは、鮮度を保つため急速に冷凍された後、港に水揚げされ、多くは東京の市場へ出荷される。このように、全国各地の魚介類は全国各地の港に陸揚げされ、大型トラックや保冷車、冷凍車によって都会の卸売市場へと大量に運ばれる。卸売市場では、東都水産<8038>のような卸売業者が荷受けし、卸売業者によるセリで最高値を付けた仲卸業者や売買参加者(買参権を持った小売業者など)に販売される。仲卸業者は市場内にある店で街の魚屋や寿司屋など小売業者に小分けして販売し、小売業者は街にある小売店に運んでさらに小分けして一般消費者に販売する。

※延縄(はえなわ):1本の長い縄にたくさんのつり糸を垂らす漁法。マグロ漁法にはそのほか「一本釣り」「まき網」などがある。


(2) 卸売市場
卸売市場はこのように、水産物流通の中で荷を受けてから仲卸が小売りへ販売するまでを役割とする。ちなみに、市場というのは本来自由が原則だが、日本の卸売市場は地方公共団体が開設・運営する公設制度で、公平を図るため法律で市場内の取引を規制するという、世界でもあまり例のない独特の市場制度になっている。東京都中央卸売市場の場合、扱うものは市場により異なる。野菜・果物とその加工品など青果は豊洲市場ほか大田、淀橋、豊島、板橋、世田谷、北足立、多摩ニュータウン、葛西の各市場の青果部が扱っている。生鮮・冷凍の魚介類やその加工品など水産物は豊洲、足立、大田の水産部で扱う。そして、牛肉・豚肉及びその加工品など食肉は食肉市場(品川)、鑑賞用の花・草木・枝など花きは北足立、大田、板橋、葛西、世田谷の花き部で扱っている。卸売市場の目的は、大都市などに住む消費者に生鮮食料品を安定して供給することにあり、集荷→価格形成→分荷という基本機能のほか、決済(カネの流れ)や情報提供、衛生保持の機能もある。

(3) 同社のバリューチェーン
もう少し具体的に言うと、同社のような卸売業者が荷受けした品物を卸売場に並べ、朝5時頃からセリ場で卸売業者のセリ人の呼びかけに応じて仲卸業者や売買参加者といった買い手が指で値段を示し、最高値を付けた買い手がその品物を買うことができる。このような、大勢の買い手を前に公開で価格を決めるセリ取引(一部入札)のほかに、卸売業者と買い手の協議によって価格を決める相対取引がある。仲卸業者はセリなどで買った魚介類を市場内にある店に運び、買出人と言われる街の魚屋や寿司屋など小売業者に買いやすい大きさや量に小分けして販売する。そして、販売代金の徴収や出荷者への支払いを速やかに確実に行う一方、当日の市場入荷量や卸売の価格、その他生鮮食料品に関する情報などを収集し公表しており、日本の建値市場※としての役割も果たしている。

※建値市場:ほかの市場で取引の参考となる価格を形成する力のある市場のこと。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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配信元: フィスコ

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