今後の米債市場の動きに注意
一昔前、米債市場は1/31刻み(1%を1/32刻みで取引)、そこから1/64刻み、そして時代の流れとともに1/100以下での攻防が繰り広げられてきました。元々米債市場は流動性も確保されていることもあり、ボラティリティは他の市場に比べ小さいというのが一般的です。それ故、3日の一日の変動幅0.1369%は驚きの値幅と言えるわけです。米債市場はその後3.2594%まで急上昇、それまで株高・金利高が同居していましたが、金利急上昇を嫌気して株式市場に調整の動きが持ち込まれ、リスクオフ相場の様相となっています。「炭鉱のカナリア」と呼ばれるハイイールド債市場(HYG)も売りトレンドが発生、まだ直近安値を下回る動きにはなっていませんが、一段と金利上昇が進めば、株式市場にはもう一段の調整の動きが持ち込まれたとしても不思議ではありません。それでなくても米国の株式市場はリーマンショック後10年にわたり右肩上がりの動きになっているのですから。
ここからの米債市場の動きに注意が必要と言えそうです。とは言え、実需動向の動きを見ていると、出遅れ感が強いのは輸入筋。ドル円の113円割れでは中・長期のヘッジに動いてくるプレーヤーも出てきそうですので、ドル円の下値もそれほど大きくならないのではないでしょうか。目先、ドル円のレンジを112.00~114.00円と見ております。