目先の短期売買がメイン
米中・米欧の貿易問題はトランプ大統領が呟くたびに混迷度合いが増し、周辺の要人が火消しに追われる始末となっています。
さすがに長期的な視野でのポジション構築を試みる関係者も少ないようで、目先の短期売買がメインとなっているようです。
7/6まではトランプ大統領をはじめ、政府関係者からの発言に注意(どんな発言が飛び出すかは分かる術もありませんが・・・)して、相場と向き合っていくしかなさそうです。
●原油価格が70ドル台へ
昨日、WSJ紙が「米政府、同盟国にイランからの原油輸入停止を要求」と報じたことで受給逼迫を警戒した買いが優勢となり、加えてリビアの生産量減少やカナダのオイルサンド供給減少、ガボンの石油精製施設のストライキ等、
受給逼迫を想起させるニュースが目白押しとなった結果、約1ヶ月ぶりにWTI価格が70ドル台を回復しました。
原油価格の上昇は資源国通貨にとって追い風となるわけですが、今回ばかりは、資源国通貨間でも動きがマチマチになるのではないでしょうか。
今回米中貿易問題が燻っていることもあり、中国の成長鈍化を嫌気して豪ドルにとっては向かい風、その一方で、カナダドルには一定の期待が出来るのではないかと考えております。
NAFTAの問題は?と仰る方もいらっしゃるでしょうが、米国にとってカナダは同じ経済圏メンバーであることから、中国と同じ対応は避けてくるのではないかと考えており、それ故、カナダドル>豪ドルの力関係になるものと考えております。
トランプ大統領の側近は否定していますが、今回の貿易問題のターゲットはあくまでも中国だと私は考えています。
また、豪州はここからの利上げが期待できない一方で、カナダは年内の利上げ観測が維持されていることもカナダドルにとって追い風となるものと考えております。
カナダドル円はこのところ安値圏で燻っていることも、今後の上昇に期待できるのではないでしょうか。
<資料>豪ドル/カナダドル(日足)の推移