「買い一巡後は伸び悩むも、強気相場は継続」

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最新投稿日時:2016/11/12 08:40 - 「「買い一巡後は伸び悩むも、強気相場は継続」」(黒岩泰)

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「買い一巡後は伸び悩むも、強気相場は継続」

著者:黒岩泰
投稿:2016/11/12 08:40

「FRBにメスが入るのかが最大の関心事」

 週末の日経平均は30.37円高の18807.88円で取引を終了した。朝方は前日の急騰の余韻から買い先行となったが、買い一巡後は徐々に上値が重くなる展開。11月限ミニ先物・オプションのSQが17596.78円に決定すると、この付近を高値に売り圧力が強まった。寄り付きで空けた窓も完全消滅となった。

 しかし、週末の日経平均は買い先行によって、一時戻り高値を更新。上方の壁を一時的に打ち破る展開となった。軸はすでに上向きに傾いている可能性が高く、その後の伸び悩みはあまり気にする必要がないだろう。東京株式市場はトランプ氏の金融規制緩和の姿勢を受けて、メガバンク中心に上昇。主力株中心の物色となっている。

 トランプ氏が次期米大統領に選出されたことで、日本の政治屋たちは大慌てだ。トランプ氏が「TPP反対」を知っておきながら、当選翌日に衆院を通過させるという暴挙。「属国日本」としての立場を完全にわきえていない。米国で新たな権力闘争が起き、軍産複合体とべったりのヒラリー陣営が巻き返すというのか――そんなわずかな可能性を期待しているような能天気ぶりだ。

 トランプ氏は早くも各国首脳とコンタクトを取っており、新たな世界構造を作りあげようとしている。米国が「世界の警察」になることをやめ、「米国民のための内向きの政策」を進めることを公言している。中国やロシアとの関係も「融和ムード」になることが予想され、中東情勢も変化が見られるだろう。日本の立ち位置も変化することが予想され、国内政治の方向転換が必要な状況となってきた。日本の安倍政権は基本的に「対米隷属」であるが、これはヒラリー陣営への隷属であり、決してトランプ陣営ではない。不正選挙の失敗によって予想外のトランプ勝利となったことで、「右往左往」しているというのが現状のようだ。

 世界政治の潮流は、英ブレグジット、そして米大統領選によって、完全に流れが変わった。世界をマネーで牛耳る支配層が「2連敗」したことを意味し、まったく統制が効かなくなっている。彼らの権力の源泉はBIS(国際決済銀行)を頂点とする各国中央銀行の通貨発行権であり、近い将来ここにメスが入る可能性がある。もし、トランプ次期大統領がFRBにイチャモンをつけることになれば、国際金融情勢は劇的に変化するだろう。これが「トランプリスク」の最も大きな点である。トランプ氏が彼らの長いものに巻かれ、現状の支配システムが続くのであれば、例えば「米国債のデフォルト」などという大パニックは回避されるであろう。そのような意味でも、来年春にも浮上してくる「米債務上限問題」は、トランプ氏の政治スタンスはもとより、国際金融情勢を占う上で重要なイベントとなりそうだ。
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想

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