独自創薬基盤が世界中で評価、将来的に黒字維持が期待できる
2012年10月にリード化合物の創薬に成功し、2013年6月期決算には黒字化を達成、それ以降増収増益を継続しているバイオベンチャーとしては珍しい黒字企業です。
これは、同社のビジネスモデルが「初期段階から売上が発生し、各段階で収益を順次計上できる」ものだからです。
製薬会社との共同研究開発契約では初期段階から売上が発生する取り決めで、契約一時金から売上ロイヤルティまでのすべての計算方法を確定的に規定しています。また締結までに最低2~3年かけ、両社が納得のいく契約内容に仕上げるといいます。このような契約を常に3~4以上進めていることからも、今後の安定的収入が見込まれ、黒字維持は確定的と見られます。
2016年6月期の業績は、売上高が74.9%増の43億2700万円、営業利益が83.2%増の25億4800万円、経常利益が58.5%増の23億7200万円、純利益が57.5%増の15億8100万円、EPSが28.45円(前期18.36円)と大幅増益で着地。配当金は0円でした。
財務面では有利子負債ゼロ、自己資本比率85.6%と安心の財務内容で、総資産の57.8%を現金等が構成しています。
同社は、創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」を通して、通常のぺプチドの弱点を解決するよう組成を変えた人工のアミノ酸を組み込みました。これが「特殊ペプチド」です。
PDPSは、特殊ペプチドの創製を行えるだけではなく、特殊ペプチドの優れた物質的特性を活かして、創薬ターゲットとの結合を構造的に解明することで低分子創薬を可能にするため、開発中止となった化合物を復活させる事もできるといいます。
国内外の世界的製薬企業と共同研究開発のもと、新しい医薬品候補物質の研究開発を行っており、創薬共同研究開発契約の締結先は、国内製薬企業6社、海外製薬企業10社となりました(2016/6月)
創薬技術が評価され、同社のPBRは30倍となっています。世界的製薬メーカーとの戦略的アライアンスが続いており、成長性が評価されているためでしょう。
11月8日、決算発表予定です。