~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
日経平均は週間で261円、月間では1000円近く上昇し、4月22日以来およそ半年ぶりの水準を回復しました。
チャート分析で、日経平均の75日移動平均線が200日線を上抜けるゴールデンクロスが出現。2年ぶりの相場反転サインが点灯したことで、“持たざるリスク”が意識されはじめています。
9月までに日本株を約6兆円売り越した海外勢の売りがぴたっと止み、10月第3週(10月17日~21日)までに3週連続で買い越しに転じています。
対して個人投資家は3週続けて売り越し。主力株は上がっているのに、新興株が冴えなかったことから、今週も個人投資家の売りは続いた可能性があります。
今月に入って日経平均が終値で100円以上値を下げたのは、わずか1日のみ。なぎのような相場はいつまで続くのでしょうか。
■中間決算、序盤戦の反応は良好。
今週は7~9月期決算の発表が本格化しました。先陣をきった(6506)安川電機や(6594)日本電産は決算翌日に高値を更新するなど、まだ序盤戦ながら市場の反応は良好です。
悪い内容も織り込み済みとばかり、株価の反応は悪くありません。(7974)任天堂が26日に今期の連結経常利益の見通しを100億円(従来予想は450億円)へ下方修正。朝方は売りが先行し、下げ幅を一時4%に広げたものの、その日のうちに切り返しました。
円相場が3k月ぶりに1ドル=105円台まで円安・ドル高に振れたため、想定レートを1ドル=100円に見直した任天堂の業績見通しは「保守的」と捉えられたようです。
また、自社株買いを発表した企業も株価が高騰しました。実に8年ぶりの自社株買いを発表した(8591)オリックスは、決算翌日からの2日間で13%上昇。時価総額は2500億円余り増加しました。自社株買いの規模は500億円ですので、効果テキメンです。
■来週は上昇一服、上値目途は「17572円」。
来週は31日~11月1日までの日程で日銀の金融政策決定会合が開催されます。「政策変更なし」との見方が優勢ですが、無風で乗り切ることができるでしょうか。
また、11月1日~2日には米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。8日の大統領選を控え、利上げはできないだろうと言われていますが、声明文の解釈を巡って、相場が大きく動くことも考えられます。
このほか、週末4日には米雇用統計の発表と相場の重要イベントが目白押しです。105円をつけたドル円が、このままするすると円安方向に動くことは考えづらく、株式市場も上昇一服となる公算が高いのではないでしょうか。
騰落レシオが140%と短期的には上昇ピッチが早いため、過熱感を警戒した売りで4月22日に付けた戻り高値:17572円が上値の目途として意識される週になりそうです。
小野山 功