俄然注目度が高まる今回の雇用統計
とは言え、CME fedwatchでの利上げ確率を定点観測していると、9月どころか12月の確率もそれほど変化が見られていないことが分かります。
つまり、市場は利上げ時期を読みあぐねているという訳です。
そこで、これまで以上に注目を集めるのが今週末に発表される雇用統計。
実は、イエレン議長はジャクソンホール講演で「過去3ヶ月のNFPの平均値が+19万人」にも言及していました。現在、今週末に発表されるNFPの予想値は+18万人。仮に今回その数字通りの結果となった場合の3ヶ月平均は+24.2万人、この数字は昨年利上げ時の数字とほぼ一致するものとなり、これまで市場が織り込み切れていない利上げを意識させる動きが強まることとなりそうです。
そして、カギを握るのが株式市場の動向です。現在のNY株式市場が上昇している背景には、マイナス金利に直面して運用難に陥った日欧などの機関投資家による買いが影響していると考えており、決して企業業績を反映したものではないと思っています。いわば「消去法的な買い」なのです。
その株式市場から資金が他の商品に流れ、例えば、利回りを求めてより安全な米国債に資金移動すると徐々に米国債は利回りが低下→それを受けて買いが集まるであろうドルの上値も抑えられるのではないかと考えているわけです。昨年12月利上げ発表以降、株安・ドル売りが進んだことがいい例です。
過去のデータより、9月も日米の株式市場のパフォーマンスはさえない結果となっています。8月は金融市場全般、ボラティリティが低下し、エネルギーが相応に溜まっていると思われますので、値動きが荒くなるかもしれません。