~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
8月4日に1回あたり707億円のETF買い入れが実施されて以降、日銀のETF買いを巡って思惑的な売買が繰り広げられています。
最初に707億円の買いが入った8月4日、前場で約3週間ぶりに16,000円台を割り込んだ日経平均は後場切り返し、上げ幅を180円に広がる急展開となりました。
その日の18時前に日銀が「707億円のETF買いを実施した」と公表し、後場急伸の要因が日銀買いだったことが判明しました。
8月5日~9日までの3営業日は、いづれも前場で東証株価指数(TOPIX)が上昇していたため、ETFの買い入れ(投資支援のETFを除く)は実施されませんでした。
次のETF買いが入ったのは、8月10日です。同日は前場でTOPIXが0.4%下落しており、最初の買いが入った4日の下げ幅を上回ったことから、日銀買いが入るのはほぼ確実だとして、後場一転して上げ幅を50円ほどに広げる場面がありました。
■「日銀買い」の要件が判明
一方、15日の前場にTOPIXは0.17%下落していますが、この日にETF買いの実施はなく、翌16日も前場の東証株価指数の下落幅が0.1%未満に留まったことで、「今日は買いが入らない」として日経平均が下げ幅を273円に広げ、安値引けしました。
18日の前引けでは0.38%の下落と、10日の0.4%とほぼ同水準の下げ幅となり期待を集めましたが、この日もETF買いは見られていません。
8月4日以降の動きから、「前場でTOPIXが0.4%以上下落した」際に、日銀買いが出動するという条件が導き出されます。
当面はこの基準が意識され、前引けで0.4%超下がった日は後場・買い!という戦術が意識されることでしょう。ただし、9月以降は発動条件が変わる可能性があるので、ご注意を…。
■引き続き注目は、外国人投資家の動向
さて、8月18日に発表された8月第2週の「投資主体別売買動向」によれば、外国人投資家が484億円の買い越しに転じたことがわかりました。
海外勢は前週に4587億円と大幅に売り越していたものの、8月4日の日銀買いを受けて、買い主体に転じたようです。
外国人投資家による買いが続くのかは、100円前後で高止まりしている円相場の行方も大きく左右することになりそうです。
小野山 功