短期急騰を受けスピード調整、外国人投資家の姿勢を注視

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最新投稿日時:2016/07/15 19:10 - 「短期急騰を受けスピード調整、外国人投資家の姿勢を注視」(冨田康夫)

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短期急騰を受けスピード調整、外国人投資家の姿勢を注視

著者:冨田康夫
投稿:2016/07/15 19:10

来週の東京株式市場見通し

 来週の東京株式市場は、3連休明け後の4営業日となる。今週の日経平均株価は、5日続伸で合計1390円と短期間に急上昇をみせた。したがって、来週はこうした短期急騰の反動も予想され、スピード調整の機運が高まり利益確定売りが優勢となりそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは、1万5900~1万6800円を見込む。

 きょうの日経平均株価終値は、前日比111円96銭高の1万6497円85銭と5日続伸したものの、日経平均への寄与度が最も高いファーストリテイリング<9983>が前日比5000円上昇のストップ高まで買い進まれたことで、1銘柄で日経平均を196円分も押し上げる結果となった。市場からは「この1銘柄を除けば、実質の日経平均株価は前日比マイナス」との声も上がっていた。また、日米同時の大型上場で話題を集めたLINE<3938>は、公開価格の3300円を48%上回る4900円で初値をつけたものの、その後は軟調な推移となり初値を11%下回る4345円で初日の取引を終えた。

 市場関係者からは「今週は、任天堂<7974>の異彩な人気ぶりや、LINEの新規上場など市場全般を活気づけるイベントが重なったことに加え、外国為替市場で一時1ドル=106円台前半へと円安・ドル高が進行したことから買い気が増幅された。来週は国内投資家に冷静さが戻ることが予想され、外国人投資家の積極買いが継続するかがポイントになりそうだ」との見方が出ていた。

15日の動意株

 朝方、一時売買停止となっていたアコーディア・ゴルフ<2131>は午前11時26分に売買を再開したが、後場は大幅高となった。14日の一部報道で、「プライベート・エクイティ(PE)ファンドのMBKパートナーズが、国内最大級のゴルフ場運営会社、アコーディア・ゴルフの買収を計画していることが分かった」と報じており、これを材料視した買いが入っている。これに対して会社側では、「当社が発表したものではない。計画の検討に関して把握しているが、実現性などを十分認識しておらず、現時点で開示すべき事項はない」とのコメントを発表している。

 東邦チタニウム<5727>=大幅高で6日続伸。
スポンジチタンの16年度の国内大口価格は4年連続の値下げと厳しい環境にあるが、株価面ではこれを既に織り込んでいる。在庫調整の進展に加え、世界的な航空機の増産ニーズが同社にとって追い風となる。チタンは航空機エンジンや機体などに使用され、米ボーイングの次世代旅客機「777X」向けなどで高い需要が見込まれている。

 アクサスホールディングス<3536>=後場急伸。
同社はきょう正午に、16年8月期第3四半期累計(15年9月~16年5月)の連結決算を発表。16年3月に株式移転によって設立されたため前期との比較はないが、経常利益が7800万円と通期計画(6600万円)を超過したことが好感されているようだ。売上高は105億7100万円で着地。小売事業では販促広告効果などで販売が好調に推移したほか、卸売事業ではウイスキーやプライベートブランドの第3のビールの販売が好調だった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

 ファーストリテイリング<9983>=ストップ高。
14日の取引終了後に発表した第3四半期累計(15年9月~16年5月)決算は、売上高1兆4346億1600万円(前年同期比6.4%増)、営業利益1458億2900万円(同23.0%減)、最終利益710億1000万円(同46.4%減)と大幅営業減益だったが、3~5月では営業利益は18.6%増となっており、足もとの業績改善を好感した買いが入っている。3~5月期は、ジョガーパンツやスカンツなどのトレンド商品やエアリズム素材やドライ素材を使ったスポーツキャンペーン商品の販売が好調で、国内既存店売上高は前年を上回った。また、海外ユニクロ事業もグレーターチャイナが増益に転じたが、第3四半期累計では、暖冬による冬物衣料の不振で減益となった上期の大幅減益をカバーしきれなかった。

 一六堂<3366>=ストップ高。
同社は14日の取引終了後、17年2月期の第1四半期(3~5月)連結決算を発表。売上高は23億3500万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は1億1900万円(同69.1%増)、純利益は7400万円(同34.4%増)と大幅な増益となったことを好感している。不振が続いていた「もつ鍋 黒き」業態の4店舗を含む5店舗の業態変更と池袋地区の2店舗の閉店を実施し、既存店の強化と効率化に注力している。なお、同時に自社株取得枠の設定を発表した。上限を47万株(発行済み株数の4.92%)、または1億7000万円としており、取得期間は7月15日か11月30日まで。

 エスケイジャパン<7608>=ストップ高。
同社は14日取引終了後に、17年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。営業損益は5700万円の黒字(前年同期は3700万円の赤字)に浮上し、通期計画8000万円に対する進捗率は71.3%に達した。売上高は12億3800万円(前年同期比9.1%増)で着地。ゲームソフトキャラクター商品などが好調に推移し、主力のキャラクターエンタテインメント事業の売上高が8億3000万円(同29.9%増)となったことが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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