利益確定売りで上昇一服、決算集中で個別物色は活発化
明日の東京株式市場見通し
13日の東京株式市場は、引き続き外国為替市場の動向に左右される流れが予想されるものの、4日続伸後の週末とあって利益確定の売りが優勢となり
日経平均株価は上昇一服となりそうだ。ただ、あすは3月期決算企業の決算・業績見通しの集中発表日となるため、個別銘柄の物色は活発化しそうだ。
きょうの寄り付きは、前日の米株式市場の反落や外国為替市場での円高・ドル安傾向、さらに、前日に
トヨタ自動車<7203.T>が17年3月期の連結営業利益の予想を前期比40%減の大幅減益になると予想したことなども加わり、
日経平均株価は一時、前日比200円を超えて下落する場面もあった。ただ、その後は円相場の円安・ドル高方向への進行や、トヨタの株価下げ渋りを支えに
日経平均株価がプラス圏に浮上した。
市場関係者からは「きょう1日の
日経平均株価の値動きを見ると、ほぼ一貫して上昇トレンドを維持しており異彩の強さと言える。大引けでは、75日移動平均線(1万6617円=12日)も上回ってきた。今後は心理的フシ目で、4月にもちあい相場を演じた1万7000円前後の水準が目標となってくる」との見方が出ていた。
12日の東京株式市場は売り優勢で始まるも次第に下げ渋り、後場に入って
日経平均株価は前日比でプラス圏に浮上した。
日経平均株価は、前日比67円33銭高の1万6646円34銭と4日続伸となった。
12日の動意株
明治ホールディングス<2269>=急騰。
前日引け後に発表した同社の16年3月期連結決算は、売上高が1兆2237億4600万円(前の期比5.4%増)、営業利益777億8100万円(同50.9%増)、最終利益625億8000万円(同2倍)という高水準の伸びをみせ、事前の会社側計画から大きく上振れしたことで、これが大きく評価されたかたちだ。従来予想は営業利益段階で665億円、そこから110億円強上回った。製品価格の値上げにもかかわらず、ヨーグルトやチーズなどが好調に消費者の健康志向ニーズを取り込んだほか、生産効率化などの合理化努力も寄与した。
ベルーナ<9997>=一時ストップ高。
同社は11日取引終了後に、17年3月期通期の連結業績予想を発表。経常利益見通しを110億円(前期比54.8%増)としていることが好感されているようだ。売上高は1400億円(同6.3%増)を予想している。主力の総合通販事業ではネットの強化を図るほか、カタログ・ネット・店舗のシナジーの向上に注力。専門通販事業では新商品の開発に取り組み、店舗販売事業ではM&Aを検討している。
テノックス<1905>=後場急伸。
同社はこの日、午後1時に16年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高で195億円から198億3000万円(前の期比11.%減)へ、経常利益で15億円から19億500万円(同18.3%増)へ、純利益で9億円から12億5700万円(同46.0%増)へ上方修正。期末配当も12円から15円(前年期同期12円)へ引き上げ、第四半期末の10円(同4円)と合わせて年間配当を25円とした。期末にかけて大型工事を中心に施工効率が高まり採算が向上している。
ディー・エヌ・エー<2432>=急反騰。
同社が11日の取引終了後に発表した17年3月期第1四半期の連結業績予想が、売上高382億円(前年同期比1.3%増)、営業利益66億円(同64.7%増)、純利益49億円(同2.4倍)と大幅増益を見込んでいることが好感されている。国内ゲーム事業で「ONE PIECE サウザンドストーム」などのスマホゲームの課金収入が好調に伸びており、販促費や広告費の伸びを吸収する見通しだ。
大同信号<6743>=急騰。
同社が11日の取引終了後、集計中の16年3月期連結業績について、売上高が従来予想の210億円から229億円(前の期比4.7%増)へ、営業利益が11億円から18億円(同43.7%増)へ、純利益が10億円から15億円(同28.3%増)へ上振れたようだと発表しており、これを好感した買いが集中している。ATC(自動列車制御装置)や運行管理システムなどシステム製品が好調に推移したことに加えて、グループ会社の管理体制を強化し、きめ細かい生産体制の見直しや品質管理体制の強化を図ったことが寄与したとしている。
新生銀行
<8303>=急反発。
同社は11日の取引終了後、決算発表とともに自社株買いを公表したことが好感されている。1億株(発行済み株式数の3.76%)、100億円を上限とした自社株買いを明らかにしたが、市場には「想定外でありポジティブサプライズ」との評価が出ている。16年3月期の連結純利益は前の期比10.2%減の609億5100万円だった。
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