様子見気分強く方向感乏しい、追加緩和観測巡り思惑も
明日の東京株式市場見通し
27日の東京株式市場は、日米の金融政策決定会合の内容発表を目前にして、引き続き買い手控え姿勢が継続することから、方向感に乏しい推移となりそうだ。金融政策決定会合に加えて、日本の場合は直後に大型連休入りすることもあり、多くの投資家は手仕舞い売りのスタンスに傾いている。
市場関係者からは「先週の
日経平均株価4日続伸で合計約1300円の急騰や、外国為替市場での1ドル=111円台後半への円安・ドル高進行は、日銀の追加金融緩和をある程度織り込んだ結果といえる。逆に、ここまで急ピッチに環境が改善したことで、“追加金融緩和は切り札”との判断により温存し、現状維持となる可能性もある」との見方も出てきた。したがって、現状維持となった場合のマイナス反応の範囲も意識しながらの推移となりそうだ。
26日の東京株式市場は、前週末にかけて
日経平均株価が大きく水準を切り上げた反動から売りが優勢となったものの後場後半は下げ渋り、
日経平均株価終値は前日比86円02銭安の1万7353円28銭と続落した。東証1部の売買代金は、2兆円台をかろうじてキープしたものの盛り上がりを欠いていた。
26日の動意株
鶴弥<5386>=一時ストップ高。
同社は26日の午前11時、17年3月期の単体業績予想を発表。売上高は100億円(前期比10.8%増)、営業利益は10億円(同87.6%増)、最終利益は6億2000万円(同2.5倍)と90%近い営業増益を見込むことが好感されている。今期は消費増税前の駆け込み需要を想定していることに加えて、生産活動において受注生産方式の導入を図るほか、昨年発売した陶板壁材「スーパートライWall」の販路拡大を目指している。
コクヨ<7984>=大幅反発し年初来高値を更新。
同社は25日の取引終了後、16年12月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の3100億円から3116億円(前期比2.4%増)へ、営業利益を120億円から136億円(同22.5%増)へ上方修正したことが好感されている。第1四半期業績が想定を上回る好調ぶりだったことに加えて、引き続き「シェアと粗利率」にこだわる施策を推進することで、想定を上回ると見込んでいる。
ベステラ<1433>=急騰。
同社は石油化学プラントなどの解体工事が売上高の98%を占める異色企業。豊富な受注残をバックに業績拡大局面が続いている。高度成長期に建設されたプラントの老朽化が進み、解体需要が増勢で同社の収益機会につながっている。17年1月期営業利益は前期比8.5%増の4億8500万円を計画しているが、市場では「保守的で2ケタ増益水準への上振れが有力視される」(国内中堅証券)との見方が強いようだ。発行株数273万株と小型でなおかつ不動株比率の低さも特長で上値の軽さが意識されている。
日本製鋼所<5631>=大幅高で4日続伸。
25日の取引終了後、集計中の16年3月期連結業績について、売上高が従来予想の2100億円から2200億円(前の期比13.0%増)へ、営業利益が120億円から140億円(同70.4%増)へ上振れたようだと発表しており、これを好感した買いが入っている。産業機械事業の増収と営業用不動産の売却益が寄与したとしている。なお、最終損益は72億円の黒字から170億円の赤字(前の期37億4000万円の赤字)へ大幅に下振れたとした。室蘭製作所が保有する固定資産について減損損失を計上したことが要因だが、株価には織り込み済みとの見方が強い。
ドリコム<3793>=ストップ高。
25日に設立された国内初のブロックチェーン業界団体「ブロックチェーン推進協会」に、発起メンバーとして名を連ねていることが材料視されているようだ。また、25日にはマップではじまるライブコミュニケーションアプリ「Pass!(パス)」のベータ版を、招待制でiOS向けに配信を開始したと発表している。
日本エム・ディ・エム<7600>=ストップ高。
同社は25日の取引終了後、米国子会社のOrtho Development Corporationを通じて、米国食品医薬品局(FDA)から人工股関節新製品「Alpine Cemented Hip System」の薬事承認を取得したことを発表、これを好感している。この製品は、米国で既に販売中の「Alpine Hip System」の間接固定(骨セメントを用いて固定)タイプのステム。「Alpine Hip System」(直接固定型)と互換性を持たせたことにより、手術前および手術中に骨の状態に対して最適なステムの選択が出来るため、治療選択肢が増えることによるシナジーが期待される。
配信元: