買い手掛かり材料難で売り優勢、短期的な先安懸念強まる
明日の東京株式市場見通し
19日の東京株式市場は、円高進行、原油安、熊本地震の被害拡大というマイナス要因に改善傾向が見られない場合、買い手掛かりが見当たらず売り優勢で
日経平均株価は続落となりそうだ。
市場関係者からは「きょうの大幅下落で、14日に上回ったばかりの25日・75日の両移動平均線を一気に割り込んだことから、短期的には先安懸念が強まっている。心理的なフシ目となっている1万6000円が目先的な攻防ラインとなりそうだ」との見方が出ていた。
18日の東京株式市場で
日経平均株価は大幅続落。終値は前週末比572円08銭安の1万6275円95銭と大幅下落した。17日にカタールのドーハで開かれた産油国会合で、原油の増産凍結合意に至らなかったことを受け、リスク回避の円高、原油安が進行した。また、熊本地震の影響による国内企業の生産活動停滞も懸念され、幅広く売りが優勢となった。
18日の動意株
日本鋳鉄管<5612>=ストップ高に買われたほか、栗本鉄工所
<5602>も急動意となった。
熊本県を中心とした連続的な大地震ではライフラインの損壊も深刻で、水道管が破裂し断水などの被害が出ている。日鋳鉄管や栗本鉄は水道管向けを中心とする鋳鉄管を手掛けていることから、ライフラインの復旧で重要な役割を担うとの思惑が短期資金の買いを誘導している。
免疫生物研究所<4570>=後場に入り上げ幅拡大。
この日正午ごろ、「カイコを用いた糖鎖構造に特徴を有する蛋白質の製造方法」に関する国内特許査定を受領したと発表しており、これを好感した買いが入っている。同特許権は、抗体(IgG)が抗腫瘍作用やウイルス感染細胞除去作用を発揮するために重要なメカニズムであるADCC活性が増強された抗体を、カイコにて生産する方法を含む「カイコを用いた糖鎖構造に特徴を有する蛋白質の製造方法」に関するもの。
ディップ<2379>=急反発。
前週末15日にビーコン管理プラットフォームを運営するTangerine(東京都渋谷区)などと共同で、iBeaconを活用した広告配信プラットフォーム「SocialAd(ソーシャルアド)」の実証実験を開始したことを発表しており、これを好感した買いが入っている。この実験の第1弾としてiBeaconを多摩モノレール沿線に設置し、求人検索アプリ「バイトル」(iOS版のみ)において広告配信を実施する。また、岩井コスモ証券では同日付で投資判断「A」、目標株価3200円を継続とするリポートを発表しており、強気を維持したことで買い安心感が働いている。
ドーン<2303>=急騰。
GIS(地理情報システム)クラウドソリューションで業界に先駆する実力を有し、官公庁や自治体に加え、民間企業向けにも高実績を誇る。官民を挙げて研究開発が進む自動運転車に絡みデジタルマッピング分野での注目度は高い。前週は
日産自動車<7201>が高速道路上を自動走行する市販車を8月に発売すると報じられたことが、人気化を後押しした。また、直近は熊本地震を受けたドローンの活躍余地が、同社の株価を刺激している面もあるようだ。
アクセルマーク<3624>=ストップ高。
同社は17日、対戦RPG「ワールドクロスサーガ ―時と少女の鏡の扉―」がサービス開始から2日間で20万ダウンロードを突破したと発表。期待感が高まるかたちとなっているようだ。このゲームは、子会社のアクセルゲームエンターテインメントが提供。15日から正式サービスを開始している。
地盤ネットホールディングス<6072>=ストップ高。
熊本地震を受けて、地盤に対する関心の高まりから、地盤調査需要が増えるとの思惑が引き続き働いているようだ。同様に地盤保証などを行う
サムシングホールディングス<1408>にも買いが入りストップ高となっている。
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