円高に歯止め掛からず売り優勢、輸出企業の業績懸念残る
明日の東京株式市場見通し
8日の東京株式市場は、週末控えのポジション調整の売りが想定されるうえに、外国為替市場での円高・ドル安進行に歯止めが掛からないことから、輸出関連の主力銘柄を中心に売りが優勢となることが予想され、
日経平均株価は反落となりそうだ。
市場関係者からは「7日の東京外国為替市場では、円相場が1ドル=108円台後半と、14年10月以来、約1年5カ月ぶりの高値水準に一気に上昇した。しかし、後場の東京株式市場では、医薬品、建設、情報・通信、陸運など内需系銘柄が底堅い動きを示したため、
日経平均株価は小幅高の水準を保った。ただ、円高進行に伴う輸出企業の17年3月期の業績悪化懸念は残ったままだ」との見方が出ていた。
7日の東京株式市場は方向感に欠ける展開となり、
日経平均株価は前日終値を挟んでの小幅な値動きに終始した。
日経平均株価終値は、前日比34円48銭高の1万5749円84銭と8日ぶりの小幅反発となった。
7日の動意株
日本カーバイド工業<4064>=大商いで急騰。
中堅化学メーカーでファインケミカルや電子材料などに展開し、株価は材料株素地に富む。2012年秋から13年夏場にかけて投機資金の攻勢を背景に100円前後の株価を800円近くまで上昇させた経緯がある。 市場では「東京ビッグサイトで開催されているフラットパネルディスプレーに関する展示会で空中ディスプレーに関する技術を出展していることで、VR関連としてハヤす声がある。ただ、買い主体は同社の仕手性に目をつけた短期の個人投資家資金で回転売買が中心」(国内準大手証券)と指摘、ストップ高に買われた後は上げ幅を縮小している。
クリーク・アンド・リバー社<4763>=後場に入って急伸。
同社はきょう午後1時過ぎに、17年2月期通期の連結業績予想を発表。営業利益を16億円(前期比35.9%増)と見込んでいることが買い手掛かりとなっているようだ。売上高は265億円(同6.4%増)を予想。中核事業であるエージェンシー事業の持続的成長を目指し、事業基盤をさらに強化する方針。各分野で推進する新規事業の収益化に注力するとともに、新しいプロフェッショナル分野への進出を積極的に図るとしている。
gumi<3903>=後場に入って一段高。
同社は6日、スマートフォン向けゲームアプリ「クリスタル オブ リユニオン」を国内のApp StoreおよびGoogle Playで配信を開始したと発表。期待感が高まるかたちとなっているようだ。同ゲームは、2月24日から事前登録を開始。4月1日には事前登録者数が20万人を突破したことを発表している。
ファーストコーポレーション<1430>=一時ストップ高。
きょう付の日本経済新聞で、「2015年6月~16年2月期の単独営業利益は、前年同期比8割増の11億2000万円前後だったようだ」と報じられており、足もとの好業績を評価する動きとなっている。記事によると、単価の高い都心部の工事受注が増えたほか、自社で土地の購入から建設まで手掛ける開発案件も採算が改善したという。なお、16年5月期通期単独営業利益は15億5900万円(前期比96.2%増)を見込んでいる。
サンバイオ<4592>=大幅高。
6日の取引終了後、開発中の再生細胞薬「SB623」について、日本における臨床試験の治験届が医薬品医療機器総合機構(PMDA)に受理され、治験が可能となったと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。再生細胞薬「SB623」は、健常な人から採取した骨髄液を加工・培養して作製された他家由来の間葉系幹細胞で、神経組織に投与すると、脳の神経再生能を引き起こすことで、損傷した神経細胞の再生を促す効果が期待されている。
鳥貴族
<3193>=堅調。
株価はここ調整色の強い展開で、2月中旬以来約2カ月ぶりに2000円トビ台まで売り込まれていたが、きょうは値ごろ感も働き買いを誘導している。6日取引終了後に発表した3月度の月次報告では、直営既存店売上高は前年同月比5.5%増と25カ月連続で前年実績を上回った。客単価は前年同月比0.3%減とマイナスだったが、客数の伸びが5.9%増と伸び全体売上高を押し上げており、これが上昇を後押ししている。
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