■利上げペースの鈍化、原油安、ユーロ高がドル売りを誘う展開に
■先週の米雇用統計では、雇用者数や平均時給に関しては、事前予想を上回り、一時的にドル買い優勢の場面はあったものの、追加利上げをサポートする内容には程遠いことから、再度ドル売りの展開となっています。
■先日のFRBメンバーからタカ派的な発言と対照的なイエレン議長のハト派な発言は、大きなブレはないものの、その他のメンバーが議長とまったく違う意見を言うことによって、金融市場の困惑から、ボラティリティーだけが拡大してしまいます。
これが、議長のいう安定に繋がるかは疑問が残るところです…。
■裏を返せば、タカ派の意見を市場に対してメッセージすることで「期待感で買い、イエレン議長発言で下駄外し」と、相場で言えば常套手段にもみえてしまいます…。
これが、米国流ドル安誘導にも見えし、米国の強さ、ドルの強さにも感じます。
■今週は、やはりイエレン議長発言に引っ張られる形でドルの重さを感じる週になるとみています。
特に先週末の日経平均株価が売られ、円買いにも拍車がかかる可能性も否めなく、また原油価格も再度、40ドル達成で自立反発が終了している可能性も否めません。
ドルの安値では、本俸のドルの実需買いに支えられているものの、株安・原油安・リスク回避のパターンも潜在的にあるだけに、総合的に判断すると緩やかなドル売りトレンドとみています。
また、ユーロドルの動きも週間足ベースで1.14ドルを引値で上回ったことで、また75期間の移動平均線を完全に上回っておりユーロ買い優勢と見ているので、その点からみてもドルが売られやすいとみています。
■オプション市場では、先週から一転して、プットのボラティリティが増大し、プレミアムも大きくなっています。
このことも、今後ドルの下落を示唆しているものと思っています。
■ドル円のテクニカルとしては・・・、
上値ポイントとしてボリンジャーバンド-1σ(112.08円)、
センターバンド(112.78円)とみています。
下値ポイントとして、ボリンジャーバンド-2σ(111.39円)、
-3σ(110.70円)とみています。
一目均衡表の遅行線からも売りトレンドを示唆しているとみています。