「恐怖に怯えたら負け、欲との戦い」

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最新投稿日時:2016/03/11 20:39 - 「「恐怖に怯えたら負け、欲との戦い」」(黒岩泰)

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「恐怖に怯えたら負け、欲との戦い」

著者:黒岩泰
投稿:2016/03/11 20:39

「2つのりんごを3人で等分するには?」

 本日の日経平均は86.52円高の16938.87円で取引を終了した。ドラギ発言を受けて急落してスタートしたあとは、徐々に下げ渋る動き。後場に入ってからは買い戻しの動きが強まり、株価は切り返す動きとなった。

 日経平均の日足チャートでは、大陽線が出現。前日のローソク足を完全に包んでおり、「強気の包み足」になっている。同時に下方の窓(16706.25円-16713.13円)を埋めており、強い調整一巡感が漂っている。強気相場は継続しており、いよいよ上方の窓(17515.68円-17684.66円)を目指す動きとなりそうだ。

 本日の寄り付きでは、恐怖に怯えた投資家も多かったことだろう。夜中には株価は高かったのに、朝起きたら株価は急落。「いったい何が起こったんだ!」といった感じだ。「また、ドラキか!」ということで納得いくわけだが、結果として心の弱い人は安値で売らされてしまったことだろう。「また、やっちまった・・・」と後悔しているに違いない。

 相場というのは投資家心理と反対に動くもの。――そう言い切って良い。自分の相場観と逆の方向に行くものであり、本日はまさしくそのように動いた。「何でいつも逆をツカれるのか・・・」「もういい加減、イヤになってきた・・・」――そう自暴自棄になっている人も多いはず。そんな人はコンビニ弁当を食べる際、割り箸を取り出すときに、楊枝を何度も指に突き刺しているはずだ。「イタッ、またヤッちまった!」と・・・。

 「食欲」が前面に出ているからである。「お腹すいた。早く食べたい」という気持ちが前に出すぎており、すっかり楊枝が中に入っていることを忘れてしまっている。親指で頂点部分を押し出すとそう、楊枝が見事に飛び出してくるのだ。

 本日、失敗した投資家は、頭の中が「欲と恐怖」でいっぱいに詰まっているに違いない。ちょっと前に「脳内診断」というのが流行ったが、その診断だと「欲」「恐怖」「金」などで充満しているということになる。だから失敗するのだ。

 理想的な脳内は、「テクニカル」「信頼」「ルール遵守」である。文章としてつなげれば、「テクニカルを信頼し、予め決められたルールを遵守する」である。それができているだろうか・・・。

 もちろん、絶対に儲かるなんていう手法はどこにもない。多くの投資家はそれを追い求めているが、そんなものは存在しない。どんなものにもリスクはつきものだからだ。

 しかし、せっかくそれに近いものを得ていても、勝手に転んでしまう投資家は実に多い。怖くなって安いところで売ったり、高いところで買い戻してしまうのだ。これでは半永久的に楊枝が指に突き刺さり続けることになるだろう。血まみれ必至だ。

 我々は相場に対して、常に「冷静沈着」でなければならない。ドラギが何を言おうが、SQがどうだろうが、そして大地震が起こっても、「冷静な判断」を求められる。パニックを起こせば、「相場の死神」がすぐに首を狩りに来るのだ。そういうものなのである。

 では、あなたが本当に冷静かどうか。ここで簡単なクイズを出すことにする。

 Q:「いま3人で2つのりんごを食べようとしている。ナイフは1回しか使えない。均等に食べるためにはどのようにしたら良いか?」

 正解はあえて表記しない。正解が分かったときに、あなたは投資家として一歩前進しているに違いない。
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想

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