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内閣支持率と株価(その4)


横浜市長選挙で菅首相が支援した候補が、反自民党の支援する候補者に大差で敗れ、この結果が今週の市場にどう反映するか。結果は……。

株価の急回復でした。そこで疑問です?
(1)選挙前のあの大きな下げはなんだったのでしょうか
(2)オリンピックの成功で国際支持率の高い菅総理に替わる政治家はいるのでしょうか
(3)株高で大幅に増えた富裕層の意向がなぜ支持率に反映されないのでしょうか

8月23日からの週間株価変動
TOPIX
始値1897.91
高値1946.92
安値1897.91
終値1928.77
日経平均(円)
始値27,193
高値27,897
安値27,193
終値27,641

先々週までの動きは、あらたな感染源となったデルタ株の急拡大で、ワクチン接種率の上昇にもかかわらず、感染が止まらなくなってそれが支持率の低下になっています。コロナ感染をこれ以上抑え込むには、国家権力による強力な隔離政策(ベトナムでは外出禁止で警察官が食料を配達)か、義務的なワクチン接種しかないところまで来ています。ただ、国家権力による抑え込みには各国で騒動が起こっています。

今週の予想を超える回復を見る限り「投資環境は内閣が作る」という理論は、必ずしも当たるとは言えません。先週の下げはアフガニスタンからアメリカ軍の撤収ショックだったといわざるを得ないようです。今週の相場を踏まえた支持率の発表が出ていませんが、もし支持率が下げ止まれば「株価が内閣支持率を上げた」ことになり、「逆また真理」を証明する結果になるのでは。

それでは先に挙げた疑問についての私見です。
(1)選挙前のあの大きな下げはなんだったのでしょうか…
アフガンでアメリカ軍が敗退したことで、防衛をアメリカ軍に頼って、経済発展を遂げてきた日本を始めとする東南アジアの国々の株価が一斉に崩れたアフガンショックでした。ただ、アフガンの敗戦が、必ずしも世界経済には影響しないとみる向きがアメリカ市場を支え、それによって日本の株価も、出遅れていたコロナ下でも株主還元を進める企業を中心に株価が上昇しました。

(2)オリンピックの成功で国際支持率の高い菅総理に変わる政治家はいるのでしょうか…
資質や人気度の点ではいるでしょうが、もし変わってもコロナが収まらない限り、反政府を掲げる一部マスコミの攻撃は一層激しさを増します。世論も1年ごとに首相が変わって、結局何もできなかったあの民主党時代を思い起こし、不支持に回ります。自民党内の空気も、コロナが収まらなければ「マスコミを利用してちゃっかり総理になった」として、新首相を評価します。有力視された次期候補者も、今回の選挙では立候補を見送るのでは。

(3)株高で大幅に増えた富裕層の意向がなぜ支持率に反映されないのでしょうか
いつも疑問に思うことは、各社から出る支持率の違いです。支持層の選び方とか、質問の仕方をあげる人もいますが、私は富裕層がアンケートに答えないため、調査対象に富裕層の支持率が反映していないのが原因と思います。富裕層を主な読者としている新聞社は、対象としてできるだけ調査対象に富裕層を選び、富裕層に漏れた層を対象としている新聞社は、富裕層の意見が反映されないのでは。いずれにしろ、富裕層は目立ちたがることを嫌います。

野村総合研究所調査よると、金融資産保有額が1億円以上5億円未満を「富裕層」、同5億円以上を「超富裕層」とし、「富裕層」124.0万世帯、「超富裕層」8.7万世帯で、富裕層・超富裕層の世帯数は、前回の2017年調査からいずれも増加し、最高値を更新しています。

アベノミクス効果により富裕層が増えているのに、内閣支持率が最低にまで落ち込んでいるのは、支持率調査対象に富裕層の声が反映されていないと見ても不思議ではありません。結果として支持率が低下しても、選挙では自民党政権が倒れるような結果にならないのです。

今の相場は1Qの決算が終了して、アフターコロナを模索している相場とみています。9月に入ると配当を意識した動きとなり、コロナ下にあって増益となり、株主還元を図る企業が相場の中心になっています。アメリカを始めとする世界各国の中央委銀行は、10年に及ぶ過剰な金融政策の弊害として、インフレを意識した政策に軸足を移そうとしています。

しばらくは従来相場の残り火で、相場は高値で維持されると思いますが、金詰りが本格的になれば、資金は株式市場から逃げてゆきます。私のバブル経験から学んだことは、「二番天井を付けた後に買った銘柄」に、ぼろ株が多かったことです。

長らくのご愛読ありがとうございました。1か月にわたるこのシリーズは、今回をもって終了いたします。皆様方のご活躍願っています。



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