近所のわんこは、抱いたら腕の中に収まる、ふわっふわの真っ白な美人さんで、近所のババの自慢のムスメ（ペット）だ。
それが今朝、骨に多少の肉と皮をくっつけた、ゾンビ映画にでてくるような貧相な灰色まだらの桃色物体に変わっていた。今日まで包帯ぐるぐる巻きだったという。瞬間あっちは、ミイラ系ホラー映画を、脳内検索していた。熱を出して、下痢をして、大変だったんだそうだ。
今日やっと、包帯がとれただけでもよかったと、ババは涙目でワンコをすりすりしながら穏やかに微笑んだ。ジジはオロオロして、二晩看護で完徹したとか。（ずっと前に）還暦過ぎて、徹夜はあかんぞなもし。
先週、ステイホームでストレスをためまくった孫をつれて、息子一家が遊びに来て、ババが買い物に行っているすきに、孫がバリカンでわんこの毛を刈ったらしくて・・・
あっちなら、手斧とナイフを両手に、そのクソガキを追いかけ回しただろう。穏やかに微笑めるババは人間ができている。立ち話ついでに、あっちの仕事先の近くの、縁切り神社のお札を買ってきてくれと頼まれた。
お札には、縁を切りたい相手の名前を書き入れてくれますよ、武漢コロナと書きますか？ と尋ねたら、あとでメモをポストに入れておきますと言われた。 メモに書かれてあった縁切り相手の名前が、孫と嫁と息子になっているんだが・・・
地蔵菩薩のように微笑むジジから、メモを受け取ったつれあいが、「全財産を、ビタ一文渡さない」という遺言書の書き方を聞かれて、遺言書の書き方の本を貸したと言ってたんだが・・・
