瓜生 憲さんのブログ
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儲かる商品はリスクが高い
週末のNY市場に続き、東京市場も、米国の公定歩合の緊急下げ(注1: 年率6.25%→5.75%)による金融不安の一部解消により、持ち直しました。
注1:公定歩合とは、中央銀行が金融機関に貸し出す際の金利
ブレ幅としては年初来の上昇を打ち消すほどではなく限定的ながら、投資家のリスクアセットへのアロケーションが拡大していた分、金融不安による二次被害のショックが大きくなることを見込んでの、911以来の動きと考えられます。
ここで気になるのは、2点。
円キャリーに対する投資家の不安拡大と、米国のファンダメンタルズの減速。
週末のどこかの新聞に「儲かる商品はリスクが高い」という当たり前?のことが書いてありました。
あらゆる金融商品が、リターンとリスクのバランスが均衡されるように作ってあるので、当然のように「儲かる商品はリスクが高い」という話になります。
「こんなこと今更・・・」という声が聞こえてきそうですが、確かに円キャリーで高利通貨へのスワップが拡大する過程においては、高利通貨のリスクを軽視し、市場として円安を実質以上に肯定していた感はあります。
無論、本来ではあれば、為替状況に鑑み、日本が金利調整に入るのが基本ですが、金利調整には「しがらみ」もあり・・・と。
今回のショックを背景に円安に対する許容度は低下し、市場が落ち着きを見せても以前のような円安局面に急速に戻る可能性は低いということになる訳ですが・・・。
そこで気になるのは、米国のファンダメンタルズです。
世界の買い手である米国経済が秋に向けて本格的に減速した場合、これまでのような円安に歯止めが掛かる中での減速は日本の輸出業に大きく影響を与え、その影響が輸出業のウエイトの高い各種インデックスに波及する可能性があります。
それにより、日本株のβ値(注2)が上昇し、バリュエーションの低下を促す・・・。
注2: β値とは、株価の市場感応度
これは、その後、クレジットクランチ(信用収縮)にも波及する可能性もあって・・・。
ここで、日本の中央銀行の登場か??それとも、来年に五輪を控える中国が大きな一歩を踏み出すか、機会を伺っているため、今回も動きの早かった欧州が専攻するか、それとも主役を譲りたくない米国が打開策を打って出るか・・・。
不安材料が顕在化してきている分、誰かの動きが期待できそうな気がします。
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みんかぶ社長失格です。
でも、退陣要求は、まだ野党からも、与党内からも出ていないので、続投させていただきます。
大変遅くなり、恐縮ですが、返信させていただきます。
ヨッシーさん
この日記から日数が経ちましたが、経済の不透明感はなかなか拭えないですね。
「センス」という単語は、それこそ金融界ではよく耳にする言葉です。ただ、金融において、これが正しいスタイルというものはなく、十人十色なところはありますので、実際にはセンスなんて皆が持っているものなのではないでしょうか?そういった意味で重要なのは、自分にあったスタイルと出会うことだと思います。
パプリカさん
パプリカさんの言う通り、日米欧の金利格差は縮小する傾向にありますね。確かに金融商品の特徴が正しく理解されないまま、急速に普及している部分は否めませんね。
ただ、今回のイベントで付き合い方が見直されてくる気もします。
世界の郷さん
郷遊ツアーの調子はいかがでしょうか?「三大市場だったのは今昔っ♪」って言うので気になるのは、ちょっと前にあった日経の記事ですかね。本当は、中国、インドにGDPで負けているという話。結局、オチは、その計算式でも1人当りでは勝っているというお話でしたが・・・。
ヨロさん
仰るとおりです。不確実性もそうですが、変動幅(ボラティリティ)もリスクという単語が用いられることがありますね。
まーたんさん
でも、切り開くのは冒険心です。アナリストもそうですが、結構、市場に育てられるところはありますので、引き続き、冒険も頑張ってみてください。無論、ほどほどにですが。
チカさん
いつもありがとうございます!!ガンガン邪魔?してください。コメントお待ちしてます!
チカです♪顔出しにきますた♪
ちゃんとウリ先生のコメントは毎回読んでますよ~(笑)
投稿内容が大人な内容なのでお邪魔しないように隠れてメモってます(笑)___φ( ̄^ ̄ )メモメモ
毎回、勉強になります。ありがとうございます。
http://minkabu.jp/blog/show/5958
が書かれていますね
一般に「リスク(risk)」という言葉は「危険」と訳されますが
投資の世界における
「リターンの不確実性=リスク」とは、
ブレの大きさのことを表す
しろしさんの日記を読み調べるまで
「危険」と思っていました。 (^_^;)
手が打ちにくい状態は、あまりよろしくない
国債の金利圧縮には良いのカモシカでつが、世界の中での存在感が・・・・
世界の3大市場だったのは今昔っ♪本質が見えなければ、短期ユルユルですじゃん
NYは安いのか?
日本は何故に騰がり弱く、下げは絶好調なのか?
人的・知的・仕手機っ♪けらけらけら
ぼちぼち(・0・)ノ いってみよぉ~♪
為替については、個人投資家が相当レバレッジを掛けていたことが動きに拍車を掛けたと認識しています。特に先週木曜日~金曜日にかけて市場で為替業者経由の円買い注文が殺到していたとの話を聞いています。
為替取引自体は問題ないと思いますが、あまりにも金利差のみに着目し円売りをしていたことが問題なのではないでしょうか?そもそもインカム・ゲインをキャピタル・ゲインのリスクのバッファーに利用しようとするのは本来は長期投資の発想だと思います。一方、証拠金取引は日々値洗いをする商品です。超短期の投資スパンと考えても良いと思います。リスクと投資期間のミスマッチが致命傷になったのでは?
さて、ファンダメンタルと金利水準ですが、日本は利上げのチャンスを逃してしまったと思います。一方、欧米各国はせっせと利上げを積み重ねてきたので、仮に景気が減速することがあっても十分に金融政策を打つのりしろがあります。日本は当分主役になれないかも。。。 でもこれで日米欧の金利差は縮小するのかな?
自分の投資センスなり知識なりのリスクチョイスが出来ないことには市場の厳しい波に飲み込まれてしまうでしょうからね。
それはさておき、私はここ数日の様々な経済的な動きが不気味でなりません。何がどうというより、感覚的、いや直感的に嫌な感じなんですよね。こんな時は無理せず様子見を決め込むことにしています。あと数日して嫌な予感がいい方に外れてくれれば、再度参戦するつもりですが。