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スイスという札

2019.06.30


 人生の最後を自分で決めなければならない状況においこまれたら、どうするのか? 例えば、回復の見込みのない病におかされ、耐えがたい痛みにただ堪えるだけの日々になるとしたら。

 あっちは、スイスに行こうと決めている。

 スイスは、今のところ、いきなりポッとでの、まったくの外国人でも、医師の手助けがあって命の幕を降ろせる、世界唯一の地だ。

 常日頃からこういうことを言っていたら、どこぞのテレビで安楽死の特集番組があったとか。おなじようなことに関心がある人はけっこういるものだと思った

 

 安楽死できるところって、スイスの他にもあるよねって疑問がわく人は、かなりのツウだ。他にもあるにはあるのだが、他のところは、あらかじめ住んでいなければ、安楽死できない。全くの外国人がやってきて安楽死OKは、あっちが調べたところ、スイスくらいしかない。

 最期のとき、医師の立ち会いはないが、スタッフ2人が看取ってくれる

 

 さて、想定費用だが、最近の金額がわからんのだが、あっちが調べていた数年かもうちょっと前だったかは、

安楽死幇助団体であるディグニタスに入会する入会費約230ドル

年会費約90ドル

準備代等3400ドル
医者代1100ドル

 苦しまずに安楽死を迎えるための処置代3400ドル

 飛行機代(片道)

 

 生きるのが肉体的に最悪にツライ状態になったときにどうするのか、自分で合法的に楽に死ねる方法と費用を知っていたら、かなり踏ん張りがきくと思う。

 

 これは余談だが、生死の境にいるときに、生き残るためのアイテムを持っている人間が強いとおもわれがちだが、実は、最悪自分で死ぬことができるアイテムを持っている人間こそが、踏ん張りがきいたりする。


 たぶんあっちが、そういうタイプなのだ。特殊詐欺にしても、自分は騙されやすいタイプだと知っている。だから騙される前提で、そんな日がきたとしても、極力被害を押さえられるよう準備をしておく。

トレードでも、自分は優柔不断だと知っている。だからどうなったらどう動くと、先に決めてある。


必用に迫られたときに、パニクらないよう、できる守りの準備をする。

 そして、想定外に出会ってしまったら、逃げられる類いのことなら裸足で逃げる。想定できてないんだよ? 思いもよらなかったんだよ? そこでもう、自分の能力を超えている。逃げるしかないだろう。

逃げをうてなかったら、直感一択。腹を決めて直感一択。

直感というものは、いきなり出てくるものじゃない。それまでの人生と本能から、無意識に導き出されてくるものだ。考えてる場合じゃないだろうとか、考える余裕もないときには、自分の人生を肯定して、体が動く方向に走るしかない。

 

 だからって安楽死の方法まで決めてあるってどうよと、つれあいに笑われている。

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