シンプルなようで奥が深そうな湯豆腐

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シンプルなようで奥が深そうな湯豆腐

寒くなると、あったかい豆腐を食べたくなってくる。
日本酒の熱燗があると、より一層。

東急の魚売り場で、いろいろな魚からでた切れ端が刺身で売っていた。
赤身や白身など、バラエティに富んでいた。しかも、3割引。買うしかない。

自宅の冷凍庫には、鱈の切り身が常備してある。
京都で作ったという湯豆腐用の豆腐が、やはり3割引。買うしかない。
鱈ちり湯豆腐にしようとなった。

味噌汁を作り、米を多めに炊いた。
余ったら、〆にオジヤとか、後日チャーハンやピラフなどへ。

     *

ひととおり食し終えると、バラエティに富んだ刺身が余った。
湯豆腐鍋に投入して、明くる日にオジヤにしようと思い立つ。
刺身を入れると、すぐに色を変えてきてダシが滲み出ているのがわかる。

ただ、昆布ダシと刺身のダシだけだと、オジヤにするにはやや物足りない。
湯豆腐系のネットレシピでは、塩を加えて調整するものが目立った。
もともと、あごだしベースな湯豆腐だと、豆乳を加えるというのもあった。

迷ったあげく、ポン酢と少量の醤油で味を足してみた。
豆腐と鱈、バラエティ刺身、春菊の余りものの中に、
炊いた米と溶き卵を流し入れてみた。

なかなかイイ風味が出ていて、思わず完食してしまう。
炊いた米でも、煮込み時間を短くすれば、ほとんど粘りは出てこない。
そうした食感もイイ感じだ。

なんとなく気になって買ってみた乾燥ネギと海苔のまざったトッピングを、よそったオジヤに振りかけてみた。とたんに、風味が豹変し、これまた驚きの美味さになる。海苔の香りの威力と、ほんのりと加わったみりん系の風味、乾燥ネギの風味。たまらない。

     *

そうして食し終えてみると、湯豆腐の〆として味をつけるには、まだまだいろいろなバリエーションがありそうだと感じる。湯豆腐だけではなく、ほかの鍋物も、〆の味付けをどうしているのか研究していくと、より豊かな食生活を満喫できるようになるだろう。

ただし、他の鍋物の場合には、そのまま炊いた米を投入している場合が多いような気がする。ということは、鍋物そのものの味付けを調べてみて、それに近づけるような調味料のトッピングを、湯豆腐の残り鍋に施せばイイのだろう。作曲でいうと、アレンジするってことになるか。

またまた、楽しい課題の発見となった。


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