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米主要企業の1~3月期決算は純利益17%増の見込み
【日本経済新聞 電子版 2018/4/12】
NQNニューヨーク=滝口朋史
米政治の不透明感と好調な企業業績との綱引きが始まった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落した。
トランプ米大統領がシリアへの軍事行動を示唆し
地政学リスクへの警戒感が重荷になった。
相場の戻りに政治が水を差す展開が繰り返されるなかで気を吐いたのが
米動画配信大手のネットフリックスだ。
■ネットフリックス、配信経路多様化で利用者大幅増か
ゴールドマン・サックスは10日付のリポートでネットフリックスの目標株価を310ドルから360ドルへと引き上げた。3月12日に付けた上場来高値を8%上回る水準だ。同社のヒース・テリー氏は「強力なコンテンツや新たな提携などを背景に2018年1~3月期の業績は市場予想の平均を上回る」と指摘。値上げ浸透で利用者1人あたりの月間平均収入(ARPU)も上昇するとみる。
ネットフリックスは米CATVのアルティスUSAや米携帯電話4位のTモバイルと提携するなど、配信経路を多様化している。TモバイルはCMでネットフリックスが料金に含まれていることを強調するなど、コンテンツとしての存在感は大きい。ゴールドマンは会社側が635万人としている利用者数の前年同期比の増加幅が730万人になったと予想している。
■決算シーズン、政治リスク克服の鍵握る
好業績観測を受けネットフリックス株は前日比4.6%高の311.64ドルまで買われる場面があった。3月12日に付けた最高値から19%安に沈んだ4月4日の直近安値から15%上昇した。フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)の「FANG」のなかでも戻りの速さは突出する。
先陣を切って16日に発表する決算次第では最高値をうかがうような勢いだ。
ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が議会証言した2日間でフェイスブック株が5%上昇するなど、FANGを巡る過度な懸念は後退しつつある。
米ファクトセットによると米主要企業の18年1~3月期の純利益は前年同期比17%増と7年ぶりの増益率になる見通しだ。
ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「決算効果がトランプ氏の(シリア情勢などに関する)ツイートを蹴散らすかもしれない」と期待する。
週後半から始まる決算シーズン、綱引きの勝者は果たしてどちらだろうか。
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