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ドラッグストア 業界成長鈍化と再成長
ドラッグストア業界は踊り場です。
8/16の日記でコンビニエンスストア業界を分析しましたが、2011年以降ドラッグストア業界はコンビニエンスストア業界に押されています。
2009年の薬事法改定で大衆薬がコンビニエンスストアでも販売可能になった影響は確実に出ています。
ドラッグストア業界推移 ↓ クリックで拡大
<縦軸>左:売上高(億円) 右:店舗数(軒)
出典:日本チェーンドラッグストア協会←リンク
「日本のドラッグストア実態調査」をダウンロードして加工します。
店舗数は右肩上がりですが、売上高は放物線状に成長鈍化しています。
ドラッグストア店舗あたり売上推移 ↓ クリックで拡大
<縦軸>店舗あたり売上高(億円)
ミクロ視点で店舗あたりにデータを加工します。
60坪店舗から150坪店舗への標準店舗更新が進み、2010年度までは堅調に推移しました。
2011年度は東日本大震災の影響でやや落ちて、2012年度がピークでした。
コンビニ・ドラッグ売上推移 ↓ クリックで拡大
<縦軸>総売上高(億円)
コンビニエンスストアの再成長とドラッグストアの船長鈍化が重なっていることが解ります。
社会インフラ認識
2011年の東日本大震災で、被災者はドラッグストアではなくコンビニに行きました。
2009年に大衆薬がコンビニエンスストアで販売可能になった影響が震災で顕著に現れてしまいました。
その結果、コンビニが社会インフラ認識され、行政の保護はドラッグストアではなくコンビニに傾きました。
M&A
店舗あたり売上の伸びが鈍化し始めた2010年から、ドラッグストア業界はM&Aが活発化しました。
当り前ですが、それまではM&Aするより新規出店したほうが良かったからです。
薬事法改定
門前薬局からかかりつけ薬局へ誘導する改正薬事法が4月に施行されました。
ドラッグストア業界は、約40,000店舗の門前薬局からパイを奪うことが期待されます。
もっとも、これまで何度も門前薬局からパイを奪うべく薬事法が改正されてきたので、今回の改正でも難しいかも知れません。
ドラッグストア業界再成長
業界での聞き取りでは、コンビニエンスストアにパイを食われたことは認識し、リスペクトしています。
しかし、コンビニエンスストアに対抗するよりも、門前薬局を狙い撃ちする戦略が金看板です。
かかりつけ薬局が日本に定着するなら、そのときはドラッグストア業界再成長となるでしょう。
保有銘柄の状況2016.8.19 ↓ クリックで拡大
薬事法改正で、食われる側のメディカルシステムネットワークと、食う側のツルハドラッグを両方持っています。
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関連銘柄:
ツルハHD(3391) メディシス(4350) -
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情報ありがとうございます。
私はメディシス300株ホールド中です。
なのはな薬局の他に、病院給食、高級老人施設、訪問看護ステーションなど、多角経営に走っていますね。
診療報酬のマイナス改定で、調剤単価が下がっています。
1回の処方量もかなり制限されているので、調剤で稼ぐ時代は終わったようです。
病院経営も厳しいようで、倒産する病院も出てくるようですよ。
コンビニ、ドラッグストア、調剤薬局、パイの奪い合いでしょうか?^^;
メディシスは株主優待がない代わりに、株主総会の懇親会が豪華です(笑)
にゃん7 さん コメントありがとうございます。
> 診療報酬のマイナス改定で、調剤単価が下がっています。
"かかりつけ薬剤師"の加点が大幅に増えたので、マイナス改定ではありません。
従前の「服薬指導料」がほぼ半額となった代わり、「かかりつけ薬剤師指導料」が約3,000円加算されます。
4月以降、患者さんが調剤薬局で「かかりつけ薬剤師の同意」をすれば、調剤薬局は約5,000円の収入増加となります。
しかし、かかりつけ薬剤師を持つかどうかは患者さんの任意ですし、かかりつけ薬剤師指導料は保健対象とはいえ1~3割を患者さんが負担することになります。
また、かかりつけ薬剤師を患者さんは1名しか指名できないので、複数の病院にかかっても1軒の調剤薬局で処方することになります。
薬局で意味もわからず「かかりつけ薬剤師の同意」をしてしまった患者さんから「騙された!」とか言われるんじゃないかと心配しています。
病院の倒産は一昨年から多いです。
特に歯科医院は夜逃げが多いです。
看護師や技能士の報酬が低いから成り立っている病院も珍しくないので、薬局どころの問題ではないですね。