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研究所+工業の戦略拠点、車部品のカネミツ、長崎に、大学と共同研究、人材確保に期待。

2015/06/19 日本経済新聞 地方経済面 九州 13ページ 1366文字 書誌情報


 自動車部品のプーリー(滑車)大手、カネミツが長崎市に研究拠点と工場を開設する。新規分野進出に向けた開発とエアバッグ部品の工場だ。人脈を最大限活用した長崎県の企業誘致が成功。長崎大工学部出身の金光俊明社長は操業前から同大と共同研究を開始、期待に応える。
 県の特産品、ビワの産地の茂木地区。「カネミツリサーチセンター」はのどかな港を見下ろす。隣では8月の完成に向けて工場の建設が急ピッチで進む。5月の開所式で長崎大の矢沢孝哲准教授が部品のバリ(余分なはみ出し)をレーザーなどでリアルタイムに計測するシステムを発表した。1年前に共同研究に着手、小型・高速化して量産ラインに入れ、バリを全品検査すべく改良する。
 共同研究する学生向けに、シャワー室と仮眠室をリサーチセンターに作った。金型の寿命を延ばすため金属疲労を解析する共同研究も始まった。
市が初めて造成
 立地した長崎テクノヒル茂木は旧県立長崎南商業高校の跡地を市が初めて造成した工業団地。誘致を担当する県産業振興財団は4年ほど前から誘致に動き出した。
 金光社長の恩師、長崎大工学部の石松隆和教授も誘致の有望企業としてカネミツを財団に推薦していた。金光社長は卒業後も大学の同窓と交流があり、カネミツは石松研究室から学生の工場見学を受け入れるなど関係が続いていたからだ。
 もちろん昔のよしみだけで長崎に進出したのではない。プーリーの国内シェアは約35%。中国、インド、タイなどに拠点を持ち、世界シェア約7%のグローバル企業とはいえ、兵庫県明石市の本社や加西工場(同加西市)は神戸、大阪に近い。
 「明石や加西に優秀な人に来てもらうのは難しい」(金光社長)。長崎は長崎大や佐世保高専、工業高校など「兵庫よりいい人材が採りやすい」ことが決め手だった。

長崎は次の世代に向けた戦略拠点。新たな自動車部品への採用を目指し、「リングロール工法」という特殊工法でベアリング部品などを成型する技術を開発する。同社の加工は切削や溶接による切り貼りでなく、プレスと回転成形による絞りなどの一体成型が特色。リングロール工法もその一つで、一体成型品は強度や安全性で評価が高い。
 昨秋、今も自動車業界を揺るがせるタカタ製エアバッグ問題が起きるとリコールによる特需が発生。エアバッグを膨らませる重要部品であるカネミツの「インフレーター」にも注文が殺到した。
第2工場も計画
 当初計画を大幅に前倒しし、昨年12月に長崎工場建設を決定。生産が逼迫し「工場は竣工式もできないくらい垂直立ち上げする」と建設を急ぐ。第2期工事、さらに第2工場の用地も手当て済み。当初はそこまでいらないと思っていたが、実はテクノヒル茂木の用地はすべて取得したのだ。
 円高で製造拠点が海外へ流出すると、自治体の誘致担当者は研究拠点の誘致に動いた。ただ、研究所は雇用創出力が弱い。一方、今はものづくりの国内回帰で工場は雇用を生むが、常に将来の再編の可能性がある。
 研究所と工場が併設するのは誘致の理想の姿。カネミツ側も採用だけでなく、長崎大や県の工業技術センターの研究者をがっちり抱える。長崎市は次の工業団地の整備に乗り出した。
(長崎支局長 三浦義和)
【図・写真】カネミツは長崎大とバリの測定システムを共同開発した(長崎市のカネミツリサーチセンター)

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