jojuさんのブログ
★ピケテイ批判再び(格差非固定ならば格差拡大は望ましい)
2/1,日経朝刊9面は「21世紀の資本」著者、ピケテイへのインタビュー。
この本のキモは、資本主義の世界では、投資収益率>経済成長率>労働収益率だから、格差はどんどん拡大していく、という論説。
投資収益率>経済成長率>労働収益率となるのは、ピケテイのようにデータを調べなくても、自腹で投資してる人間(=投資家=資本家)には自明なことである。
世の中にはハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンの法則が働くから(そうでなければハイリターンを生み出すハイリスク事業に資金が集まらない)、ハイリスクな投資の収益率が高く、ローリスクな労働の収益率が低く、経済は投資と労働で成長するので、経済成長が両者の間になるのは、データなぞ調べなくても当たり前のこと。
問題はそれで格差が固定するか?、という点。
答えは否だろう。
投資はハイリスクゆえ、常に勝ち続けられないからである。
投資収益率は平均的なものに過ぎず、プラス何百%からマイナス何百%まで幅広だからである。
投資のかなりは年金基金等、一般個人由来で全ての個人は投資収益率と労働収益率の両方を得ているからである。
労働者として富を蓄積せねば有能な専業投資家にはなれないからである(親の遺産で投資家になってもハイリスクな投資の世界では富裕層に止まれない)
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格差が固定しないならば、格差の拡大は問題ではないだろう。
格差固定でなければ、格差拡大はむしろ望ましい。
なぜなら、格差拡大=投資収益率の上昇=リスクテイクの増大=経済成長率の上昇=全てのヒトの生活レベル向上、、だからである。
実際、近年、米国ではそうなっている。
上位1%の層は大金持ちになっているが、経済規模の割りに経済成長が高く、国民全体に生活水準は日本よりずっと右肩上がりである。
上位1%の層は浮き沈みの激しい起業家ばかりで、彼らの資産のほとんどは自社株である。 自社の業績変動、株価変動で彼らの資産はジェットコースターのように上下し、長く生き残れるものはいない。 企業の平均寿命は数十年であり、長寿企業があってもその経営に関わり続けられる一族は皆無である。
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ピケテイの最大のトリックは格差固定を問題にせず、格差拡大を問題にしている点。
それでは、格差縮小=投資収益率の収奪=投資のハイリスクローリターン化=リスクテイクの縮小=経済成長率の低下=全てのヒトの生活レベル低下、、になる。
そのうえ、投資収益率や資産が役所に自由自在に差配されるようになる。
官僚、役人はノーリスクハイリターンな職業になるだろう。
ピケテイの主張通りに資産課税、投資課税を強化すれば、ほとんどの国民は貧しくなり、官僚・役人だけが肥え太る社会になる。
格差縮小を指向するほど、官僚天国、役人天国の階級社会になり、国民多数が平等に!貧しくなっていく。
格差縮小=格差固定化=階級社会化である。
学者の多くは税金で研究し、税金から給料をもらう一種の役人だから、どうしても役所肥大化方向のインチキ論説を張りがち(反国民益のデマ論説)。 ピケテイも例外ではない。 要注意。
(要するにノーリスクな役人のまま、もっと豊かになりたい、もっと権力を強めたい、という論説)
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日経朝刊のピケテイのインタビューには上記の疑問に答える内容は何一つなかった。
上記の疑問を否定しても、その論拠は何も示そうとしない(つまりデマカセ)。
日本のマスコミは左翼系が多いから、格差縮小ネタ(平等化)のピケテイには飛びつくが、なぜか格差固定化(不公正化)には反応しない。
格差拡大だけ問題にして格差固定を軽視するピケテイ論説は、平等だけ主張し公正を気にしない左翼トリックそのもの。しかも、左翼の言う平等はデマカセの平等(悪平等)である。
(左翼の言う平等は「所得」平等であり悪平等。「労働やリスク」を平等にせず、所得だけを平等化。それでは怠け者、リスクテイクしないものが得をするので、誰もまじめに働かなくなるし、リスクをとらなくなる、、、結果、国民は堕落、貧民化。所得平等を差配する役人だけがノーリスクで肥え太る)
国民益を高め、心安らかに生きるために大事なのは「平等」で無く「公正」である(所得平等でも、労働が不平等ならば不満たらたらになるだろう)
<まとめ>
高成長社会=格差拡大社会=格差非固定社会(反階級社会)=公正な社会(誰にでもチャンス。全てのヒトの生活水準が高成長で右肩上がり)
低成長社会=格差縮小社会(国民間で格差縮小だが、官僚・国民間では格差拡大)=格差固定社会(階級社会)=不公正な社会(役所に管理されくる階級社会。国民生活は低成長で右肩下がり)
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