<要点>
・ 貿易障壁、海外設備投資障壁が減ったグローバル化時代には大企業・中小企業の主従関係は固定的なものでない。 大企業は調達先多様化、中小企業は納品先多様化になるから。
・ ゆえに円安化で原材料費増大デメリット以上の生産コスト低下メリット(数量効果)を中小企業も享受できる。かつてのような主従関係の構造問題はない。
・ 円安のデメリット>メリットになる中小企業があるのは、競争力の弱さと景気水準の低さに起因。
・ 景気が上がるほど、メリット>デメリットの中小企業が増える。 競争力が低い企業もそうなっていく。
・ 現在、デメリット>メリットになっている中小企業が未だあるからこそ、更なる円安推進=景気浮揚が必要。 円安抑制を唱えるマスコミ論説は中小企業いじめ。
・ グローバル化でも大企業・中小企業に固定的取引が維持されてるならば、それは大企業から中小企業への補助金と同じ(不況時でも中小企業を切らず)。 だから、円安時に納品価格を抑えられても中小企業に一方的デメリットはない。 円高時、不況時に取引維持のメリットを既に受けているからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<詳細>
大企業は円安で潤い、中小企業は価格転嫁出来ず苦しむ、、、
これは最近マスコミがけん伝してる論説。
大企業に買いたたかれるので円安メリットなく、原材料高騰デメリットだけある、という論理。
この理屈は一見正しいようだが、競合関係や数量効果を一切無視した議論である。
日本のマスコミはこうした視野狭窄のデマ論説を多用する。
円安で大企業の業績が上がってくれば景気は当然浮揚する。
売上、販売数量は増える。
大企業に部品を売る中小企業にも数量効果(=生産コスト低下)により利益増大がある。
取引関係においても中小企業の優位度が増してくる。
また、円安により海外競合に勝ち、シェア増大での数量効果、利益増大もある。
日本の中小企業は大企業と一体化していて元々、海外競合がない?
それはウソ。
海外競合があっても、大企業が特定の国内中小企業との取引を優先させてるだけのこと。
つまり、これは大企業から特定中小企業への補助金みたいなもの(不況時でも下請けを切らず)。
その見返りとして、大企業は特定中小企業に納品コスト抑制を求めるので、中小企業にだけ負担集中というわけではないのです。
いわゆる構造問題は国際競争が少ないグローバル化以前の話であって、現状では虚構。
それでも痛みを負う中小企業があるとすれば、それは構造問題でなく、単にその企業の競争力がないからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一般的には原材料コストよりも、そこに付加価値を付ける生産コストのほうが大きいので、よほど競争力が弱い製品を作ってなければ、円安化での原材料費デメリットより数量効果、生産コスト低下のメリットが上回る。
円安が進むほど、競争力が弱い企業でも、メリット>デメリットになっていく。
マスコミが円安で苦しい中小企業とけん伝しているのは、競争力の弱い中小企業であり、そうした企業も円安で状況が良くなりこそすれ、悪くなっていくことはない。
それでもダメな企業は競争力がとことん低く、潰れてやむなしの企業である。
しかし、もし、そういう企業が潰れても、円安推進で景気上昇し続けていれば、従業員、経営者の再就職は容易。
だから、円安化、金融緩和は抑えるのは間違いである。
マスコミの円安批判論説は中小企業いじめであり、中小企業補助金を増やしたい経済産業省のお先棒担ぎ論説(もしくはアベノミクス潰し)に過ぎない。