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永江朗のひとりごと 「中間小説」について

植草甚一という評論家の活動を通しての、永江朗による現代小説に対する以下考察。

 

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(略)植草甚一はその貴重な時間を使って、その結果が「ないです」のひと言です。

 

たんに、発見がないというだけではありません。ちゃんと根拠も示している。

「面白さがおんなじなんですよ」といっています。

つまらないわけじゃない。でもみんなおんなじ。

 

これって、現代の日本の若手から中堅の作家が書く小説にもいえてますね。

最近は中間小説という言葉がほとんど死語になってしまったけれども、

純文学とエンターテイメントの中間ぐらいの小説が主流でしょう。

誰にでもありそうな日常を書いてみました、というような小説です。

 

ミステリーやSFというほどプロットに凝っているわけでもなく、

ライトノベルほどキャラクターが際立っているわけでもない。

内面を描いているけど、心理小説というほどでもない。

すべてがほどほど。

どの登場人物、どの状況設定も、いくらでも交換可能。

 

ぼくも必要があって読みますが、まさに植草甚一と同じく、

「で、発見は?」「ないです」という感じです。

 

ぼくはもう、日本の小説はあんまり読みたくないなあ。

それよりも海外文学やノンフィクション、評論を読んでいたほうがよさそうだ。

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★「おじさんの哲学」

  永江朗著 原書房 1,800円+税 2014.4.2.第一刷

  「叔父さんはスノップ 植草甚一」 P.161より抜粋

 

同書籍は、他界された著名人も含めていろいろな豪傑を紹介しながら、

永江朗の哲学も織り交ぜているもの。

「吉本隆明」、「松岡正剛」について書かれていたところも、かなりオモロイ。

 

オイラなんぞの経験では補えないものを、永江朗は教えてくれる。

抜粋したのは、その中で小説に関する知見。

 

永江は、年に400冊は読んでいる人のようだ。

植草は他界されているが、二年で2,000冊買い込んだことがあるという豪傑。

都合40,000冊を蔵していたらしい。

そういう豪傑ふたりをとおして出てきた見解が、抜粋部分だ。

 

いろいろ示唆に富んでいると思われた。

 

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