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急落

314日の日経平均は14327.36-488.32)と急落。ダウが大きく下げ、為替も円高方向に動いているので、下落は当然といえば当然。中国経済の不振、ウクライナ情勢の緊迫、そして消費税の増税が下落の直接の背景になっているといわれているが、日本が他よりも下落がきついのが問題だ。

まずチャートからみると今回の下げは、一目均衡表の威力を改めてまざまざと見せつけた。前のブログで、今週雲のねじれがあるのが気になる、と書いていたが、雲のねじれところで見事に下への方向転換となってしまった。先行スパン1が先行スパン2を下抜けるということは、中期的なトレンドが弱気であることをしめしているとおもわる。今後先行スパン1が上に出るまでは頭を押さえつけることになる可能性が高い。本格的な上昇への復帰には、先行スパン1が再び上にでることが必要だろう。

先行スパン1が下にぬけたということはどういうことを意味しているのだろうか。雲は、基準線や転換線より息の長い投資資金の状況をあらわしており、東京市場の7割は海外勢なのだから、要するに海外の中期的な投資家が、資金を日本から引き上げていることを示しているといっていい。ではなぜそうなっているのか。もちろん全般的なリスクオフが進んでいることは明らかだ。ウクライナは、最終的にはなんとかなると思っている向きも多いようだが、一触即発になっていることは間違いない。プーチンもオバマもそれぞれ内輪の事情がある以上、対決を回避して軟着陸できるめどはなかなか立たない。そうでわる以上、怖がり屋のマーケットは、最悪を考えてしまう。中国は一党独裁だから、シャドーバンキングなどの問題は結局なんとか押さえ込めるとは思われるものの、こちらも民族問題や環境問題の深刻化が進んでおり、不気味な不安がぬぐえない。

一方、日本の市場は世界の中でもパフォーマンスが悪いから日本固有の問題もあるに違いない。ファンダメンタルズからみると、日本経済は円安が進んだにもかかわらず、輸出が伸びず、エネルギーの輸入が増大して経常収支の赤字が拡大している状況にある。かつての貿易黒字国日本はすでに消滅しており、アベノミクスで貿易黒字の復活を期待していた海外投資家の期待はこうした数字で剥げ落ちたしまった可能性がある。またこれからの政策についてみても、消費増税による内需の冷え込みに対しても根本的な対策はしめされていない。国際競争力の強化による外需の獲得についても迫力ある矢はでてきていない。このためにアベノミクスの将来についても失望が広がっていると考えられる。さらに言えば、海外から見れば、安倍政権は、中韓との対立ばかりか、アメリカとの間にも隙間風をつくってしまっており、経済を置き去りにして、靖国参拝や、国家機密保護法、集団的自衛権をみとめる解釈改憲という本来の右より路線にひた走っているように見えているに違いない。

事実チャートからみて調整は長引く可能性が高くなってきている。月足でみても、基準線12279、雲12241の上ではあるが、転換線14368を割り込んでおり、パラボリックも下降に転じてしまった。ここからみると数ヶ月にわたって下値を探り、最悪の場合はつき足基準線あたりまで調整する危険も否定できない。もっとも、目先はやや下げすぎの感があり、ウクライナの動きが落ち着けば、底打ち反発することもありうるであろう。

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