yuhsanさんのブログ
需給を中心とした来年の相場見通し
年初から60%近くも上がった大相場も、後1日を残してお終いです。いまどき相場にかじりついている人は、「未練残して最後まで」がんばる人なのでしょうか。
さて、来年は?
相場見通しには、ファンダとチャートがあります。その道のエクスパートが発表されたところでは、高値18,000円、安値15,000円程度とする人が多いようです。私はどちらかというとファンダ派ですが、株価は需給で決まるというのが持論です。需給を中心とした相場「勘」かもしれません。
私は、昨年の12月24日の日記で、安部政権の4年間に株価が倍増の20,000円になるとしていましたが、ベースはEPS1,000円を20倍まで買って20,000円としたのですが……。この1年で為替が82円から105円と円安に触れ、企業業績も大幅に改善し、来年3月期のEPSを1,200円と見る人まで現われてきました。
そうなると、17倍程度に買えば、20,000円に達する計算となります。私は、来年にはこの高値をつけると見ています。根拠はファンダではなく需給にあります。
今年の需給は、外国人が日本人の眠っている資産を15兆円も買って、株価を6割も上昇させました。まさに外国人が作ったアベノミクス相場だったのです。背景には、FRBによる超金融緩和措置があったわけですが、来年はこれが縮小することが予想されます。当然のことながら外国人は、日本市場から資金を引き上げにかかるでしょう。仮にその規模を5兆円ほどとするとどうでしょうか。
その受け皿となるのが、個人を中心とする日本人です。
インフレで炙り出された個人の金融資産が、株式市場になだれ込んでくるのが最大勢力です。個人の金融資産は、1,500兆円といわれていますが、そのうち投資信託を含めた株式投資は8%、55%が現預金です。先進5カ国に比べても、現預金比率が極端に高いのが特長です。理由はデフレで、現預金が一番有利な資産保全手段だったからです。
日本もいよいよインフレ時代に突入し、今年はその序章です。一年前、日本がインフレになると予想する人は、黒田総裁以外ほとんどいませんでした。むしろコストプッシュ・インフレを恐れる意見が大半でした。今のインフレは輸入物価の上昇によるコストプッシュ・インフレですが、だれも文句を言いません。貿易収支の改善が進まない限り、円相場は更に安くなる方向に向かいインフレが加速してきます。
そうなると、富裕層の現預金が、リスク資産に回ります。株式、外国債、商品とさまざまですが、すでに投資信託を買う動きは、よく耳にします。個人の現預金の1%が株式に向かうだけで、外国人売りを吸収できます。
来年は、証券税制の変更により、株式投資が不労所得だという人は少なくなるでしょう。更にNISAの導入で、新しい投資家層の拡大が期待されます。間違いなく個人資産は株に向かいます。
個人以外でも、来年は需給を支える組織、法人が目に付きます。いわれているだけで、
年金基金GPIFの買い増し
日銀によるETFなどの金融資産買い上げ
事業法人が、配当金税率の引き上げ補填のための増配と自社株買い
安倍内閣の経済政策を後押しするための金融法人による株価維持
などなど……。
外国人も、受け皿があって株価が下がらないと見ると、売りを控えます。
来年は需給が極めていいのが特徴です。私の知る限り、こんなに需給のいい年は、ここ数年ありません。
アベノミクスの株価を4年間に20,000円と見立てていますが、これを変えるつもりはありません。来年は、5月に20,000円近くまで達して、恐らくそこが来年の天井になります。後半は消費税増税の影響で、EPSがどう変化するかを見極めたいと様子見となり、15,000円程度までの下落があるかもしれません。
ただ、これをもってアベノミクス相場が終わったわけではありません。これだけの相場が、そのまましぼんで通常の相場循環に戻るとは考え難いのです。「大相場の終わりはバブルで終わる」、これはいつの場合にも当てはまるとみています。
ただ、相場の内容は大きく変わります。この続きはまた明日。