南欧のデフォルトの歴史

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南欧のデフォルトの歴史

素人のひとりごと日記です。
(正しくはすべて専門家へ)

 

今年の6月頃だったか、プロ野球の観戦に行った。

 

その試合で印象に残ったのは、ヤクルトのバレンティン選手の特大ホームランだった。

 

当時わたしは、バレンティン選手の名前すら知らなかった。


バレンティン選手のホームランはボールがピンポン玉のように

外野の3階席まで軽々と飛んで行った。
(あっという間にスタンドまで飛んで行った。)
少なくともわたしの今まで見たことのない「凄い」当たりで驚いた。

 

「この選手おもしろいなぁ~」
「次の打席も注目して見よう」

 

と思って試合の終わるまで観戦することにした。

 

しかし、次の打席もその次の打席も敬遠気味のファーボールだった。

(ガッカリ・・・)

 

逃げたくなるピッチャーの気持ちはわかった。

 

「この選手は有名になるかもしれない」

 

とそのとき予想した。

 

それ以来、日経新聞のスポーツ欄を見るときヤクルトのバレンティン選手の成績を
意識して見ていた。

 

周知の通り、しばらくすると、マスコミの間でも注目されるようになった。

わたし自身は、ビックリするようなホームランを目の前で見たので
その後の活躍は納得のいくものだった。

 

選手には申し訳ないのですが、みんかぶは株式のサイトなので
この話を株式にたとえると

 

バレンティン選手の株を、ホームランを見たときに買っていれば
その後、バレンティン選手の株は大きく上がったと思う。

 

このホームランを見たことは価値ある情報になり
その後、マスコミで注目されるようになってからの情報はあまり価値がない。

(みんなの知っている情報に価値はない。)

 

注目されるようになると、株はすでに上がっていることが多い。
(このような時、株式だったら、逆に売ってもよいかもしれない。)

 

なんでもない話ですが、バレンティン選手の特大ホームランを見たことは
長期投資家として基本的なことの復習になった。

 

価値ある情報をキャッチできるよう、日頃から情報のアンテナを高く立てておきたい。

 

・・・

 

さて

 

世界のリスクとして大きいところでは

 

「米国財政問題」
「欧州債務危機」
「中国景気減速」

 

などある。

 

これらの問題が深刻になると、やはり日本経済にマイナスになる。

 

今後、過剰流動性やインフレ期待などから株価が上昇することはあっても
景気は容易に改善しないかもしれない。
(リアルマネーの人たちが借金をして投資をはじめると株式バブルがはじまる。)
(ヘッジファンドのようなリスクマネーの人たちが借金をして投資をするのは普通です。)

 

足元、米国財政危機が表面化しているが


既視感(déjà-vu)を感じる。

 

既視感(déjà-vu)

 

実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように
感じることである。(Wikipediaより引用)

 

(参考DVD:「恋はデジャ・ブ」5つ星の評価が多い。深いテーマを持つ隠れた名作)

 

米国財政問題も実際は一度も見たことがないのに
すでにどこかで見たことのように感じる。

 

米国財政危機と欧州債務危機との間で世界は危ない橋を渡り続けている。
(難しい言葉を使うと「再帰性の連鎖」と言われる。)

 

昔、参考本として書いた

 

「ソロスは警告する」
超バブル崩壊=悪夢のシナリオ

 

この本にも「再帰性」について解説があります。

 

過去でも

 

ベア・スターンズ危機のあとリーマン・ショックがあった。
ギリシャ危機のあとスペイン・イタリア危機があった。

 

欧州債務危機についても再び問題は表面化するだろう。

 

既視感(déjà-vu)の世界です。

 

その欧州債務危機について

 

欧州債務危機は、問題先送りされているだけで
根本的な問題は解決されていない。

 

アイルランドは、持ち前の勤勉さを持って債務問題からの脱却に向けて
全力で取り組んでいるとするニュースなどある。

 

「大丈夫ですよ~」

 

などと言った話を証券会社の方から聞くことがありますが
他のPIIGS諸国の南欧諸国が信用を取り戻したとは聞かない。

 

「落ち着きを取り戻している」(^_^;)

 

などと聞くことはある。

 

ポルトガル、スペイン、イタリアそれぞれ大きな問題はある。


債務危機の出発点となったギリシャについて少し復習してみると

2009年10月のギリシャの政権交代を機に、同国の財政赤字が公表数字よりも
大幅に膨らむことを明かしたことで問題が表面化した。

 

金融のプロ中のプロ、ゴールドマン・サックスのアドバイスにより
複雑なデリバティブ「クロス通貨スワップ」を使ってユーロ加盟国になっていた。

 

(引用)
独誌シュピーゲルによると、急激な財政悪化に見舞われているギリシャはかつて
米金融大手ゴールドマン・サックスの手を借り、複雑な金融技術を駆使して
債務を小さく見せかけていた。

 

(危険を察知して逃げ足の速いゴールドマン・サックスは早くから手を引いていた。)

 

2009年のギリシャの財政赤字GDP比は実績ベース15.4%でユーロ圏の健全化基準
3%を大きく上回る水準だった。
(ギリシャはユーロ加盟前から一度もマーストリヒト条約ラインを守っていなかった)

 

3%の基準に対して5~6%くらいならまだわかりますが
15.4%なので最初から健全化基準を守る気はなかった。
(信用する方がおかしい。)

 

ギリシャがデフォルトすれば大きな混乱は避けられない状況は現在も変わりない。
ギリシャはともかくギリシャがデフォルトするとスペイン、イタリアにも波及するので
そこまで行くと救済できない。

 

スペインがユーロ圏の最後の砦になる予感がする。

 

10月2日(水)日経新聞より

 

ラホイ・スペイン首相に聞く

 

企業が賃金調達や生産性向上に取り組んだこともあり
「経済の基盤ははるかに強固になった」と経済再建に自信を見せた。

(日経新聞より引用)

 

他の大手新聞の記事でも同様の内容の記事を読みました。

 

そうだと良いのですけど・・・

 

話を元に戻して

 

ギリシャ

 

ギリシャ救済の問題が最初に大きくクローズアップされたとき
ギリシャには4つの選択肢があった。

 

1.無秩序なデフォルト
2.秩序あるデフォルト
3.揺らぎ続ける(とりあえず目先の支援を受けて問題を先送りする。)
4.ユーロからの離脱

 

3.を選択してよくわからない状況で今日まで来ている。

 

半年くらい前にギリシャに行った人の話を聞きました。

 

表通りは普通に歩けるようですが、治安の問題もあり裏通りに入ることはできなかった。
その方が行ったときは、アテネ市内のきれいな建物にも落書きがたくさんあり

とても残念と言っていた。

 

ギリシャの主要な産業は観光、海運、農業になる。

 

このような街並みでは観光客も増えない。
過去ギリシャに観光に行った人の話を聞くとあまり評判はよろしくない。
(わたしの聞いた人たちが、たまたまそうだったかもしれません。)

 

パルテノン神殿もヨーロッパ3大がっかり名所として名前が挙がったこともある。
(日本ではそうでもないと思う。)

 

ヨーロッパ3大がっかり名所

 

ギリシャ パルテノン神殿(修復工事のこともあると思う。)
ベルギー 小便小僧(本当に小さい。)
デンマーク 人魚姫(アンデルセン童話の人魚姫をモチーフにしたブロンズ像)

 

わたしが個人的にがっかりした世界の名所はシンガポールのマーライオンですが
(これですか~と思った。)これはヨーロッパではない。

 

(最近シンガポールのMarina Bay Sandsに宿泊した人の話によると
 ホテルはよかったけど、カギが使いづらくて困ったと言っていた。)

 

・・・

 

そもそも論の話になりますが

 

「ギリシャに借金を返せるだけの経済力はあるのか」(・・?

 

もともとこれといった産業はないので普通に考えれば借金を返してくれるとは思えない。
歴史的にみてもギリシャ人は信用を回復してくれることはなかった。

 

ギリシャ人といっても現在のギリシャ人はギリシャ正教を受け入れた
ギリシャ語を話す人たち

 

アルーマニア人、アルバニア人、トルコ系
スラヴ人、マケドニア人、混血系などいろいろになる。

 

生粋のギリシャ人の多くは第二次世界大戦のドイツの「バルバロッサ作戦」の前に
大きな被害を受けたのでその子孫はほとんどいない。

 

以下Wikipediaより引用(除くかっこ書き)

 

1940年10月、イタリアはギリシャに侵攻したが撃破され、反対にギリシャ軍の
アルバニア侵攻を許していた。(イタリアは戦争に弱かった・・・)

 

このため、ドイツ軍はバルカン半島への連合軍の上陸を懸念せざるを得なくなり、
ソ連侵攻作戦である「バルバロッサ作戦」の延期を余儀なくされた。

 

1941年4月、ドイツ軍はギリシャ侵攻を開始、迅速な電撃作戦の前に5月半ばには
ギリシャは枢軸国ドイツ、イタリア、ブルガリアの占領下となった。
(ドイツ軍のギリシャ侵攻のため対ソ連戦が予定より遅れ冬将軍を迎えることに結果になった。)
(ギリシャ侵攻は、ドイツ軍がソ連に負けた原因のひとつになっている。)

 

この占領はギリシャ人に恐ろしい負担をもたらし、300,000人以上が飢え死にし、
数千人が報復で殺され、ギリシャ経済は破綻した。

 

(ギリシャ人は、とても可愛そうだった・・・)
(ドイツとギリシャの関係は歴史的にも複雑です。)

 

・・・

 

ギリシャの債務の状況はさらに悪化
(助けても助けても助からない)

ギリシャ経済にはもともと国際競争力がない

経常赤字は今後さらに悪化する

輸出が急増しなければ持続不可能になる
(輸出どころか、食料も輸入が多い)
(輸出の回復の見込みはない)

歴史的に考えてもギリシャ国民は痛みを受け止めない
本音では、信用の回復など全く考えてもいない
(アイスランドと違う)

 

これからもいろいろなことが起きるのが当たり前
歴史を振り返れば、ラテンの国はデフォルトしているのが当たり前のときがあった。

 

ギリシャ問題が順調に解決するほうがサプライズです。(・o・)!

 

よくラテンの国に行く経営者とお話をする機会があった。

 

「あいつらメチャメチャいい加減ですよ~」(>_<)
「芸術的なセンスはあるけどね~」

 

などと言っていた。

 

わたしも昔、南欧のイタリアで買ったジャケットを今でも持っている。
2~3万円くらいで買った値段の高いものですが縫製はボロボロです。

 

デザインが気に入ったので買った。
最近ではボロボロの縫製にも愛着が出てきている。
しかし、ボロボロです。(日本製では考えられない。)

 

ギリシャ問題など南欧の債務問題がこの先どうなるか
歴史を振り返ってみたい。

 

ケネス・ロゴフ氏の著書

 

「THIS TIME IS DIFFERENT」

 

タイトル「今回は違う」


本に書かれている内容は「今回も同じ」(歴史は繰り返す)

 

などを参考にすると

 

金融危機は根本的な問題の解決は困難なので長引く

不動産価格は長期に低迷する

そうなると生産と雇用が大幅に落ち込む
(スペインなど不動産バブルだった。)

政府債務が急増する
(増えることはあっても減ることない。)

 

南欧の代表国フランス、スペイン、ポルトガル、ギリシャの
対外債務デフォルトの歴史を振り返ると

 

○フランス

 

1558年
1624年、1648年、1661年
1701年、1715年、1770年、1788年

1812年

 

9回デフォルトしている。

 

○スペイン

 

1557年、1575年、1596年
1607年、1627年、1647年
1809年、1820年、1831年、1834年、1851年、1867年、1872年、1882年

 

14回デフォルトしている。


1800年代はデフォルトしていないときのほうが珍しかった。

 

○ポルトガル

 

1560年
1828年、1837年、1841、年1845年、1852、年、1890年

 

7回デフォルト

 

○ギリシャ

 

400年近くオスマントルコによる統治

 

1830年ロンドン議定書でギリシャ独立が決定される。

 

1843、1860年、1893年
1932年

 

短い間に4回デフォルト

ギリシャ独立戦争中の1826年もいれれば5回デフォルト

 

独立してから半分近くの期間デフォルトしていた。
デフォルトしているのが普通だった。

 

日本人のイメージでは、南米のデフォルトは記憶に新しいところですが
欧州のラテン系の国も過去頻繁にデフォルトしていた。
国がデフォルトするのが国民性でもあった。

 

歴史を振り返れば、南欧の債務問題は、容易に解決しないと思う。

 

欧州の主要金融機関のPIIGS向け国債保有残高にも注意が必要になる。

 

PIIGS問題がマーケットの主要なテーマになっていたころの
Tier1キャピタル(資本)に対するPIIGS向け国債保有残高が高い金融機関として

 

スペイン大手のサンタンデール銀行(スペイン最大の商業銀行グループ)
フランスのBNPパリバ(ヨーロッパ有数の巨大銀行でもある)
ドイツのコメルツ銀行(ドイツで2番目の預金高を持つ銀行)

 

などが挙げられていた。

 

ユーロ圏の問題は、いかにしてギリシャを救済しているかのように見せて
実のところは、まわりまわって自国の金融機関を救済して
損失を回避している側面もある。

 

誰かにジョーカーを引いてもらおうとしている一面も垣間見える。
(日本政府はEFSF債を積極的に購入していた。)
(テレビの討論番組でも消費税の問題は議論されるが、税金を沢山使う
 このような問題は議論されない。)

 

いずれにせよヨーロッパの金融機関の危機は
また発生する可能性がある。

 

以前日記にも書いた記憶がありますが

 

今年初めイタリアの第3位の大手銀行(モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ)で
デリバティブの損失隠しが表面化した。


一蓮托生でみんなやっているのではと市場から疑われた

「スペイン、フランスの金融機関も損失隠しをしているのでは?」となった。

そこで健全であるポーズを取る必要があった。

ECBに国債などを売却して借り入れていた資金の返済をする。

ヘッジファンドの巻き戻しによってユーロ高になり現在に至っている。

(もちろん正しいかどうかわかりません。)
(イタリアの大手銀行モンテ・パスキの損失隠し、これは日経新聞Web版で
 事実として報道されている。)
{「FX ミセス・ワタナベ、ユーロ売りに動く 経済の先行き不安で逆行」
(8月7日日経Web):需給面でユーロが強かった面もあると思う。}

 

問題をいつまで先送りできるのかわかりませんが
歴史は繰り返すとすれば、欧州債務問題は楽観視できない。

 

「THIS TIME IS NOT DIFFERENT」

 

になるかもしれない。

 

統一通貨などの話もありますが、今後の欧州債務問題の行方にも注目したい。

 

以前、日記でもご紹介した

 

ルービニ教授の「大いなる不安定」より

 

-崖っぷちのヨーロッパ-

 

「ユーロ圏のうちPIGSと呼ばれる国、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインは、
深刻な危機にある。近年、各国の債務は膨れ上がり、競争力は低下している。
理由は複雑だ。」

 

「PIGSでは巨額の経常赤字と財政赤字という不都合な組み合わせに陥り、ヨーロッパの
他国の銀行に多額の債務を負うようになった。これらの銀行はいずれもレバレッジが
高く、金融危機が波及する源泉になりかねない。」

 

金融緩和政策は、時間稼ぎの効果しかない。
(時間稼ぎの効果はある。)

 

問題を先送りすればするほど支えきれなくなって爆発することもある。

 

ヨーロッパの厳しい状況は、今も変わりないように思える。

 

南欧のデフォルトの歴史に学べば
欧州債務危機についても米国財政問題と同じく
既視感(déjà-vu)を感じるときがあるかもしれません。

 

・・・

 

何人かの会員さんからフレンズのお話をいただいていますが

時間の関係で失礼しています。

ありがとうございます。

 

 

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