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5月の月刊騰落率などを見て考える


先の日記に書いた通り、日経平均は30日に暴落し、31日反発したが、一部銘柄で上げ相場を演出しようとしたが、大きく戻すことは実現しなかった。

 

その中身をいくつかの銘柄で見てみよう。

 

日経平均の寄与度が高い銘柄で特にこの2日間の上位2銘柄として2日間共に寄与度が高かった2つを比較してみた。

 

銘柄  30日 前日比  31日 前日比  29日比
ファーストリテ 33,200 -4,150 -11.11% 34,900 1,700 4.87% -2,450 -6.56%
ファナック 14,610 -630 -4.13% 15,240 630 4.13% 0 0.00%

 

2日間共に特にファーストリテイリングの騰落率がファナックを上回り、指数を大きく牽引したことがわかる。

しかし、2日間合計で見るとファナックが下落分を完全に戻しているのに対して、
ファーストリテイリングは2日間合計で-6.56%と大きく下落しており、実は大きな差が生じている。

 

因みにこの2日間の東京市場の2つの代表的な指数の騰落率は下記の通りで、
この2銘柄は2日間共に日経平均の騰落率を上回って変化しておりまさに相場を主導しているのが良く判る。

こうした指数を牽引する銘柄主導で指数を変化させた影響もあり、
2日間の騰落率の数値は日経平均の方がパーセンテージでみると大きく変化することになった。

しかし、2日間合計で見ると日経平均は-3.85%でTOPIXの-3.66%とほぼ同じ結果となっており、東京市場の主要な騰落の傾向はほぼ同じとなっている。

 

指数  30日  前日比  31日  前日比  29日比
日経平均 13,589.03 -737.43 -5.15% 13,774.54 185.51 1.35% -551.92 -3.85%
TOPIX  1,134.42 -44.45 -3.77% 1,135.78 1.36 0.12% -43.09 -3.66%

 

さて、この5月の暴落は23日も発生して相場が下降に転じ、4月末と比べて下落している。

 

暴落の前日22日の終値および4月30日の終値との比較も見ておこう。

 

5月22日との比較では下落しているのは共通している。

 

しかし、その下落幅はファーストリテイリングはファナックの倍近くで、4月30日からでは下落と上昇と逆になっている。

 

圧倒的にファナックの方が強い動きとなっているのだ。

 

銘柄  31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比 
ファーストリテ 34,900 35,700 -800 -2.24%  41,400 -6,500 -15.70%
ファナック 15,240 14,700 540 3.67%  16,640 -1,400 -8.41%

 

因みに東京市場の株価指数にも動きでみると、5月22日からの下落幅は日経平均が上回り、4月30日からの下落幅はTOPIXが上回っている。

 

指数  31日  4月30日終値 4月30日比  5月22日終値 5月22日比
日経平均 13,774.54 13,778.75 -4.21 -0.03%  15,627.26 -1,852.72 -11.86%
TOPIX  1,135.78 1,165.13 -29.35 -2.52%  1,276.03 -140.25  -10.99%

 

それでは、主な銘柄を業種ごとに見てみるとどうなるのだろう。

 

メガバンク3行は何れも2日間合計で見ると約3%強の下落であった。

30日に他の2行より大きめの下落をした三井住友が31日にわずか0.37%戻したのみで他の2行は横ばい。

日経平均やTOPIXよりも2日間合計で見ると少し騰落率は小さいだけでほぼ同じとなったが、
31日の反発の弱さを象徴する形となっている。

 

銘柄  30日 前日比  31日 前日比  29日比
みずほ  195 -6 -2.99% 195 0 0.00% -6 -2.99%
三井住友 4,040 -155 -3.69% 4,055 15 0.37% -140 -3.34%
三菱UFJ 595 -19 -3.09% 595 0 0.00% -19 -3.09%

 

5月22日との騰落率は日経平均の-11.86%とそれほど大きな乖離は見られない。

 

しかし、4月30日からの騰落率は10%前後の下落となっている。

つまり5月22日までの5月前半時点で既にほとんど上昇しなくなっており、業績改善の期待がもたれていない業種のようである。

 

銘柄  31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比
みずほ  195 215 -20 -9.30%  221 -26 -11.76%
三井住友 4,055 4,605 -550 -11.94%  4,665 -610 -13.08% 
三菱UFJ 595 663 -68 -10.26%  699 -104 -14.88%

 

 

現在の日本の代表的な輸出関連業種といわれる自動車メーカーは次の通りとなっている。

自動車メーカー大手は下記の通り私がピックアップした5社は全て2日間続落となり、31日の反発はなかった形となった。

その結果、ホンダ、マツダの2社は日経平均の騰落率以上に下落することになるなど大きく調整している。

 

銘柄  30日 前日比  31日 前日比  29日比
ホンダ  3,875 -135 -3.37% 3,830 -45 -1.17% -180 -4.49%
マツダ  414 -9 -2.13% 404 -10 -2.48% -19 -4.49%
三菱自  160 -5 -3.03% 159 -1 -0.63% -6 -3.64%
トヨタ自 6,060 -140 -2.26% 6,010 -50 -0.83% -190 -3.06%
日産自  1,120 -14 -1.23% 1,115 -5 -0.45% -19 -1.68%

 

ところが、4月30日や5月22日との比較するとかなり違った見え方になる。

 

5月22日からの騰落率で見た場合は日経平均の-11.86%やTOPIXの-10.99%よりも悪いのは三菱自動車のみ。

 

その三菱自動車は4月30日から見ると38.26%と自動車メーカー大手の中で突出した上昇をしている。

5月22日からの下落幅が大きくなったものやむを得ないだろう。

 

4月30日からの月間騰落率が唯一つマイナスとなったホンダも、日経平均の-0.03%よりは悪いがTOPIXの-2.52%より小幅となっている。

 

4月30日からの月間騰落率が大きなプラスとなったマツダと三菱自動車はいくつかの共通する要素がある。

 

先日までの不況期に業績悪化が酷かったために財務面が良くなく、その関係もあって海外生産比率が低いのである。

 

それが、業績改善と財務建て直しの見通しが立ちつつあり、円安による業績へのインパクトの大きいことに繋がり、再評価されているということだろう。

 

銘柄  31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比 
ホンダ  3,830 3,875 -45 -1.16%  4,250 -420 -9.88%
マツダ  404 334 70 20.96%  437 -33 -7.55%
三菱自  159 115 44 38.26%  183 -24 -13.11%
トヨタ自 6,010 5,640 370 6.56%  6,630 -620 -9.35%
日産自  1,115 1,016 99 9.74%  1,215 -100 -8.23%

 

 

電機メーカーは銘柄による騰落率の差が明快に見られ、興味深い。

 

ここで取り上げた③銘柄ではシャープだけが2日間続落し、2日間合計の騰落率が1%未満の下落に収まったソニーや日立と対照的な動きとなった。

 

銘柄  29日 30日 前日比  31日 前日比  29日比
ソニー  2,066 2,007 -59 -2.86% 2,049 42 2.05% -17 -0.82%
シャープ 520 482 -38 -7.31% 476 -6 -1.26% -44 -8.46%
日立  702 684 -18 -2.56% 700 16 2.29% -2 -0.28%

 

また、5月22日との比較で見てもシャープの下落率は突出している。

 

しかし、そうした暴落を含めても4月30日から月間騰落率は40.83%と突出した上昇であり、その反動が大きかったといえそうだ。

 

なお、ソニーも5月22日から二桁の下落をしたにも拘らず4月30日から月間27.03%の上昇となっている。

 

業績がそれほどよくなく、低評価が続いているところに、事実上の企業分割提案がされたことで、とても期待されているようだ。

 

銘柄  31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比
ソニー  2,049 1,613 436 27.03%  2,290 -241 -10.52%
シャープ 476 338 138 40.83%  601 -125 -20.80%
日立  700 622 78 12.54%  768 -68 -8.85%

 

シャープと同じく30・31日と続落し、2日間合計の下落率が平均株価を下回ったのが双日。

 

銘柄 29日 30日 前日比  31日 前日比  29日比
双日 192 182 -10 -5.21% 178 -4 -2.25% -14 -7.29%

 

こちらも5月22日から見ると-20%を超える大幅な下落となったのもシャープと同じ。

 

そして4月30日から月間16.34%と比較的大きな上昇となっている点も似ているのは興味深い。

 

銘柄 31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比
双日 178 153 25 16.34%  224 -46 -20.54%

 

4月30日から月間騰落率でみるとシャープが40.83%、三菱自動車が38.26%と今人気のガンホーの34.82%を上回っている。

 

やはり、業績、財務の両面で同業他社より評価が低かった企業の見直しは相場としては魅力的なようだ。

 

 

東京証券取引所の業種別指数の騰落率を月間で見てみるとバブル期待の剥落と円安メリット期待が透けて見えるようだ。

 

輸出比率の高い次の3つの製造業は何れも4月30日から月間騰落率でみるとプラスを維持している。

 

業種  31日   4月30日終値 4月30日比  5月22日終値 5月22日比
精密機器 3,262.11 2891.17  370.94 12.83%  3,493.40 -231.29 -6.62%
輸送用機器 2,620.88 2469.73  151.15 6.12%
機械  1,289.91 1263.75  26.16 2.07%  1,470.17 -180.26 -12.26%


それに対して金融関連2業種と不動産関連2業種は何れも月間騰落率でみると二桁のマイナスと大きく反落している。

 

特に不動産関連2業種は何れも15%を超える下落となったことは地価上昇期待の剥落と、金利上昇への警戒の表れだろうか。

 

しかし、金融機能と賃貸ビル保有が大きな柱となっている保険業が5月22日から-13.92%と大きく調整しながらプラスを維持している。

 

景況が悪化しているのではなく、単に早く買い上がり過ぎたバブル業種に反動が見られると考えて良さそうだ。

 

業種  31日   4月30日終値 4月30日比
銀行業  165.84  187.71   -21.87 -11.65%
その他金融業 496.44  562.60   -66.16 -11.76%
倉庫運輸関連 1,345.60 1591.67  -246.07 -15.46%
不動産業 1,510.36 1805.79  -295.43 -16.36%
保険業  646.35  645.32   1.03 0.16%

 

なお、輸出が難しく、内需に頼る業種も下落率が高まっており、給与の増加への期待はされていないようだ。

 

業種  31日   4月30日終値 4月30日比
医薬品  1,721.70 1932.76  -211.06 -10.92%
陸運業  1,437.18 1595.63  -158.45 -9.93%
サービス業 1,089.73 1198.95  -109.22 -9.11%
小売業  761.28  829.55   -68.27 -8.23% 

 

しかし、生活必需品そのものといえる食料品は下落幅が大きくはないので、景気底割れ懸念による下落でないと考えて良いのだろう。

 

業種  31日   4月30日終値 4月30日比
食料品  1,211.93 1256.54  -44.61 -3.55%

 

最後に日本の証券業を最大手野村の騰落率を見ておこう。

 

5月末の2日間は続落して2日間合計で-6.41%と平均を上回る下落になり、これだけを見ると相場の先行き不安を感じるだろう。

 

銘柄 29日 30日 前日比  31日 前日比  29日比
野村 843 804 -39 -4.63% 789 -15 -1.90% -54 -6.41%

 

しかし、4月30日からの月間の下落率はわずか-0.50%とほぼ変わらずと意外と底堅いのである。

 

それだけでなく、5月22日との比較でも-7.83%の下落となっており、23日の暴落を含めた29日までの間でほとんど下がっていなかったのだ。

 

証券市場が完全に暴落する方向にあるなら考え難い安定振りといえるのではないだろうか。

 

銘柄 31日 4月30日終値 4月30日比 5月22日終値 5月22日比
野村 789 793 -4 -0.50%  856 -67 -7.83%

 

このように月間騰落率を詳細に見て行くと、目先の下落方向とは別に相場の以外な底堅さがあるように思われる。

 

この先一体どこで底入れするのか、手掛かりとなる材料や指標を注意深く見ていく必要が有りそうに感じます。

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