映画ずきのしんちゃんさんのブログ
反発は弱い
週末の日経平均は13774.54(+185.51)。日足は、上下にひげをだした陰線で、25日を回復できず。転換線のはるか下で、転換線が基準線と交差しそうになっており、MACDはいぜんマイナス圏を下落、DMIもマイナスが上。大幅反発などという報道にもかかわらず、先週、今週あわせて2300円近い下げにもかかわらず、自律反発としてもかなり弱く、ボリンジャーもマイナスシグマを切り、バンドが広がっている。日足では雲の上限13008あたりまで下げてもおかしくないような崩れ方である。もっともRSIは売られ過ぎのゾーンに入りつつあるが、下げ始めると売られすぎゾーンに停滞することもあるので、あてにはならない。
週足は転換線を切ってきた所だが、MACDは、シグナルを急角度で切ってきていて、中期的にも調整の局面となる危険がある。ただ基準線12625近辺まで下げても、それを維持出来れば、中期的にはトレンドは保てる。とはいえ最も興味深いのは月足だ。5月は見たこともないような長い上髭をひいた卒塔婆のような不気味な陰線。翻って5月の月足RSIをみると100%に達しており、過熱というよりも、炎上というべき水準にあり、超過熱感からの投機的なマネーゲームになっていたことを裏付けている。案の定メルトダウンを起こしてひと月で「行ってこい」の展開になった。長期的なトレンド指標はまだ変化を示していないものの、長大な卒塔婆のローソク足からみると、上に重苦しいしこりができてしまっており、それに押されて、さらにいったん下にふれる恐れなしとしない。その場合、月足雲の上限12647あたりまでは落ちてくる可能性もある。ただそれでも月足基準線、転換線は雲の中を上昇中であるので、雲の上限を保てれば、楽観的にみれば、月足の基準線、転換線が雲の上限を破れるかどうかという苦しみの局面にあるとみることもできるかもしれない。だがいずれにせよ、日足の雲の上限13008、週足の基準線12625、月足の雲の上限12647あたりまでで下げ止まるかどうかを確かめ、二番底をつけて反発する下値の確認が求められることろであろう。
ドル円は100.80で、日足基準線100。40のすぐ上でMACDははゼロラインを切って下落、DMIはマイナスDIがプラスを上回ってきているので、基準線や100円の節目の維持が危うくなってきている。週足はまだ基準線、転換線の上で、株ほど劇的な下落とはなっていないが、MACDはシグナルを切ってきており、DMIのADXも低下しており、少なくともさらに円安が更新してゆくような勢いはない。こちらも興味深いのは月足で、月足の雲の上限100.38に5月のローソク足の終値100.41が長い上髭をひいいてほぼ面合わせとなった。つまり、月足は雲の上限をまだ綺麗に突破できていない局面にある。長い目で見るとまだ100円の壁を突破する攻防戦のさなかにあるということで、100円から落ちて、押し戻される恐れもあるということを警告している。
日本株だけなんで売りたたかれているのか、といったことが言われているようだが、むしろ日本株だけが異様に買われていたことが問題ではないか。5月の月足の長い卒塔婆が示すように、アベノミクスの期待先行であげてきたところに、さらに黒田バズーカに興奮してちょうちんがつき、買いが買いをよんであらゆる過熱指標を無視して狂喜乱舞したものの、ふと気づけば輸出企業の利益回復をのぞけば、実態経済はかならずしもついてきていない、ということで、もともと空気だけでふくらんでいたで風船が一気にしぼんでしまったということだろう。この大幅な下げで少なくともアベノミクス相場の第一幕ー金融緩和期待相場ーは終焉したという印象が拭えない。問題はこれから本当に円安が100円台で傾向的に定着するかどうか、それもまだ未知数のところが残っているが、さらにそれによって可能になった輸出企業の収益回復が、国内への投資や雇用の拡大につながるか、であろう。これを裏付けるデータがでてきて、足元がさだまった業績相場に転換できるかどうか、が問われる。日柄調整をしつつ、経済データーに反応しながら、下値を固めることが当分必要ではなかろうか。