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円急騰

6月6日木曜日の日経平均は12904.02(-110.85)。日足では雲の上限をあっさりと割り込み、雲の中を大きく下げ、しかも上髭が非常に長い卒塔婆の形を示し、MACDはなおマイナス圏を降下中。RSIは25と売られすぎ圏に到達しつつあるものの、まださげどまる気配はなく、雲の下限12524で止まってくれるかどうかわからない。週足も転換線を大きく割り込み、基準線12659めざしてまっしぐらの展開。MACDも直滑降で下げており、基準線を割り込むかもしれないような勢いだ。もしも基準線を割り込めばさらに下値をさぐる勢いが加速しかねない。月足は基準線、転換線の上だが、雲の上限12647を叩きにくる展開。MACDも頭打ちになっているが、月足のRSIはまだ98と過熱圏にあり、まだ長期的には、上昇基調にあって、過熱相場の調整局面といえなくないが、月足基準線を割ってくると、長期的トレンドも危うくなってくる。


しかも海外でドル円相場が円高に大きくふれている。現時点では97ぐらいに戻しているが、一時95.95まであり、日足は転換線、基準線を下抜けて雲の上限97.37を割り込んでいる。MACDはマイナス圏を下降、DMIももマイナスDが上昇、雲の下限95.44も危うくなってきている。万一95.44を下に抜ければすっかり4月前の水準に戻ってしまうことになる。週足も転換線99.85を割り基準線93.80に向けて下降中。MACDは急激に下降、DMIはマイナスがプラスを上抜け、下げ止まる兆しはみえていない。月足ではなお基準線、転換線の上で、長期的には円安方向とはいえるものの、結局、月足雲の上限100.38を先月いったんうわ抜けたが、長い異様な上髭を引いて押し返された形で、100円の壁の厚さを再確認してしまった形になっている。


NY株自体が基準線を割り込み、チャートが崩れてきているが、為替のチャートは日足に続いて、週足も崩れてきており、円高はさらに勢いを増しつつあって、クロダノミクスの効果がすっかりはげ落ちてしまいかねない形である。今回の株式相場は、つまるところは円安への為替誘導の期待にもとづいていただけであるので、それがなくなれば、元の木阿弥になりかねない。ヘッジファンドの暗躍が囁かれ、成長戦略の第三弾が案の定空振りにおわって失望をさそったともいわれている。おそらくそうなのだろうが、個人的にはそれよりも、日本の長期国債の金利、とくに10年ものの金利が急騰後高止まりしていることが気になる。有り体に言えば4月以来、ちっとも異次元金融緩和などになっていないで、金利は国債についてみるかぎり上昇したままなのだ。国債の金利を見る限り、日銀は金融緩和を実現できず、クロダノミクスの思惑とは違って、インフレ期待と金利上昇だけが進んでしまっている事態といわねばならない。そうだとすれば、日米金利差が開かないので、円高への揺れ戻しがあっても特段不思議はない。このまま行って来いの展開になってゆくとすれば、異次元金融緩和→円安誘導→輸出企業の採算改善というロジックそのものが、問われるのではないかと思えてならない。長期金利をコントロールできると慢心したアベノミクス、クロダノミクスの「誤謬」を市場は嘲笑っているのかもしれない。
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