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古い日記-株価見通しと信頼性

 

今日はその第5回目。株価の見通しと信頼性がテーマです。株式投資は明日の株価を予測して今日買うのですから、株の見通しが最大の関心です。この欄でも株価見通しの日記が多いのも当然です。でもその信頼性はどうでしょうか。


私は「みんかぶ」以前は、ある掲示板の常連でした。「みんかぶ」と違い、投稿者が特定できませんので、自由な書き込みができました。そこでのある投稿者の見通しには、決まって「あの人の見通しはよくあたる」といったセカンダーが付いていました。HNは都度変わっていましたが、恐らく同一人物と思われます。サクラのようなものですが、そういわれると、ついその人が推奨する銘柄を買ってみたくなります。


これと似たようなことが、アナリストの見通しにもあります。この場合のセカンダーは、自分自身で「この前言っていた通り、今日の株価は……です」といって自分の見通しの正しさを、それとなくアピールするのです。こういう人に限って見通しが外れたときには、何の断りも挨拶もありません。最近のCNBCの番組でそういう解説者がいましたね。


さて今日の日記は、そういった風潮についてです。
~~~~~


生き残りバイアス(2009年11月23日)


11月21日の日経プラス1に「成功しか見えないワナ」という題で、「株価の騰落を10日間続けて当てる」ことは誰でもできるとして、例をあげて説明していました。


それによると、1万人にメールを出し、5,000人には「今日は上がる」残りには「下がる」と伝えます。翌朝には予想が当たった5,000人のうち、さらに半分ずつに当落予想を伝えこれを(10回くらい)繰り返すと、10人ほどの人は「10日間続けて当たった」と証言することになるそうです。


このことは、はずれには目を向けず、当たりだけに注目してしまう心理で、行動経済学では「生き残りバイアス」と呼んでいるようです。この現象を使うのは詐欺の常套手段で、絶対勝てる投資方法とか、必ずやせるダイエット法といったキャッチで、成功した人の実例だけをあげて繰り返し流しています。


さて、本欄をご覧になっている方には、この種の宣伝には引っかかるような人はおられないと思いますが、最近根拠もない株価予想などを繰り返し繰り返しカキコしている人がいるのが気になります。それに乗ったものから成功例が書きこまれると、なにやら上の記事にあるような意図的なものさえ感じられます。


株価の予想は、投資家の最も関心の高いところで、本欄の多くがそれに費やされるのは当然ですが、予想はその人の株のポジション次第といえます。買っている人は上がると予想し、売っている人は下がると予想します。これは当然のことです。私は株を持っていない人の予想は信じないようにしています。仲間意識を大事にするからです。


昨年、10月8日に株価が7,000円を割ったとき、テレビ番組日経CNBCでコメンテーター10人に今後の株価を聞いていました。その結果は、わずか1人を除いて6~5,000まで落ちると予想し、中には4,000円まで落ちると予想していた人もいたように記憶しています。


このように株価予想は、情報、資金、経験に恵まれたプロでも当たらないのが当たり前なのです。当たらなくても翌日は平気でまたもっともらしい予想をしています。「明日のことは誰にも分からない」株は社会が認めたギャンブルだと割り切ったほうがすっきりします。

 

 

 


 

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