安住財務相：円高対策

[アジアさん]

安住財務相：円高対策のドル融資枠を12年度末まで延長－ニーズに対応

８月７日（ブルームバーグ）：安住淳財務相は７日午前の閣議後会見で、外国為替資金特別会計のドル資金を活用して海外企業とのＭ＆Ａ（合併・買収）や資源開発事業に対して10兆円規模の低利融資を行う「円高対応緊急ファシリティ」の期限を来年３月末まで延長すると発表した。

財務相は延長の理由について「ファシリティの利用がハイペースで増加しており、ニーズが立ち上がってきた」と述べた上で、「円高の進行による日本経済の下振れリスクに対し、十分な注意が必要なことを勘案した」と説明した。

同ファシリティは民間資金の外貨転換（円投）を促し、為替相場を安定させる効果も見込んでおり、国際協力銀行（ＪＢＩＣ）が外為特会のドル資金を原資に民間金融機関を経た「ツーステップローン」や直接融資で支援する内容。

７月末時点での個別案件はＭ＆Ａ関連６件、資源関連９件の計15件で、ＪＢＩＣを通じた融資は約8900億円。今後実施予定分12件を含めると約1.3兆円になる。民間金融機関による関連融資は1.7兆円に上る。