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震災を味わったのですから、これからです

日本経済は、復興需要の強まりなどにより、緩やかな持ち直し傾向にある。昨年後半は、欧州債務危機の深刻化、円高、タイの洪水による部品供給の停滞などを背景に、踊り場的な状況にあったが、年明け後、生産が正常化するなか、復興需要の顕在化、エコカー減税復活などを追い風にして、景気は持ち直しの動きを強めている。 
 
 先行きを展望すると、一段と復興需要が本格化するに伴い、回復傾向はさらに明確になろう(復興需要(官民計)は12年度の実質GDP成長率を+1%程度押し上げる見通し)。13年度は、復興需要の押し上げ効果は弱まるが、新興国をけん引役とする世界経済の回復や復興需要の民間部門への波及により、概ね回復基調を維持する見通しである。 

 主要25社合計の11年度業績は10年度比5%の増収、同6%の営業増益。税制改正による繰延税金資産の取り崩しで純利益は同微減だった。円高の影響があったほか、金融引き締めの影響で中国の需要が下期にかけて減速したものの、新興国・資源国を中心にインフラやエネルギー関連の需要が拡大。国内市場も、震災後の一時的な落ち込みから立ち直り、持ち直しの動きが続いている。建機では、インドネシアなどの資源国向けに鉱山機械などの販売が拡大。ベアリングでは、自動車業界向けなどの需要が旺盛だ。造船・重機では、エネルギー関連などの受注が好調。損益面では不採算事業の改善が進んだ。

 12年度のQBR見通しは、前年度比8%増収、同11%営業増益。欧州債務問題などの動向が懸念材料だが、新興国・資源国を中心にインフラやエネルギー関連の需要が堅調に推移する見通し。需要国のプラントなどの拡大も見込んでいる。好調な自動車生産を背景に、ベアリング各社などの業績改善も続く見通しだ。造船・重機では、船舶などの採算悪化が見込まれるが、航空機・エネルギー関連の受注が伸びる見通し。建機では、資源国向けの鉱山機械などが引き続き伸長するほか、復興需要を背景に国内市場も堅調な推移を見込んでいる。足元で低迷している中国市場も、年度後半にかけて徐々に持ち直す見通しだ。

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