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欧州の銀行業界にとって決定的に重要な時期

DJ-S&P:欧州の銀行業界にとって決定的に重要な時期

2012/06/15 02:31


DJ-S&P:欧州の銀行業界にとって決定的に重要な時期
ロンドン(ダウ・ジョーンズ)格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は14日、欧州中央銀行(ECB)の長期資金供給オペで1-3月期に短期的に市場の緊張が緩和したものの、欧州の銀行の支払い能力に対する懸念は依然として強いと指摘した。

今やユーロ圏の今後にとって決定的に重要な時期に入っており、17日のギリシャ総選挙や、予定される欧州連合(EU)の会合、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が状況を大きく左右するとみている。

S&Pは声明で「これらの結果により、経済見通し、資金調達・流動性の状況、資本基盤、政府支援といった欧州の銀行に関する4つの主要な想定を見直す可能性がある」と述べた。

ギリシャ総選挙後の行き詰まりやスペインの銀行バンキアの親会社に対する公的支援、スペイン銀行業界の資本増強に向けた最大1000億ユーロのEU支援など、過去数週間に大きな出来事が相次ぎ、市場の焦点は移行したという。

S&Pによると、政府や銀行の財政健全度や、支援提供をめぐるユーロ圏全体の姿勢、通貨同盟から離脱する国が出た場合の域内での影響波及リスクに、再び市場の注目が集まるようになった。

S&Pは「事業環境が悪化する中、スタンドアローン評価(単独ベースの信用力評価)を引き下げ、追加的な短期支援を反映する要因をより高く評価することにより、政府の特別支援や中央銀行の方策への依存度に基づいた各銀行の格付け差別化を進めている」と明らかにした。

S&Pは欧州の大手50行のうち27行について、見通しを「弱含み」とするか、格下げ方向の見直しを意味する「クレジットウオッチ・ネガティブ」に指定している。一部の銀行の「弱含み」見通しは、本国のソブリン格付けの見通しが「弱含み」となっていることが一因だ。4-6月期に入ってからこれまでは、格付けの変更がスペインに集中し、その大半は4月のソブリン格下げに関連した動きとなっている。

フランス、ドイツ、スウェーデン、英国を中心とした残り23行の見通しは「安定的」とされている。

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